研究概要 |
複数のロボットを用いて一つの作業を行なう協調制御はロボットの応用分野を広げるために欠かすことのできない重要な技術であり,従来様々な研究が行なわれてきた.独立に制御された複数のロボットを扱う分散協調では作業に必要な物体の運動を,いかにして複数のロボットに指示するかが問題となる. 本研究ではリーダにのみ目標軌道を与え,フォロワは物体の運動を通してリーダの運動を推定し動作することにより協調作業を行なうことのできる分散協調制御系を提案し,実験的を行なった. はじめに,全てのロボットを共通の座標系に基づいて同一のコンプライアンスパラメータを用いてコンプライアンス制御することにより,適当な推定器を用いることによりフォロワは自らの運動誤差のみに基づいてリーダの目標軌道を推定することができることを示し,力覚情報に基づいて協調作業を行なうことのできる分散協調制御系を提案した.さらに,提案した制御系ではリーダにおける運動誤差を用いることにより,物体に加わる外力を各々のロボットに対して分配することができることを示した. また,提案した制御系を産業用マニピュレータおよび1自由度の移動型ロボットに適用して,2台のロボットを用いた単一の物体のハンドリングの実験を行ない,提案した制御系の有効性を確認した.
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