研究概要 |
本研究では,触覚センサを搭載した平行2本指ハンドを用い,その感覚・操作行動とアスペクト情報に基づいた把持物体と対象物体間の相対的幾何構造の解明ならびに操作行動に伴って両者間に生成される機械力学的諸関係を明らかにすることである. 本研究では昨年度より最も基本的な物体把持を可能にする2本指ハンドに対象を絞り,その基本的把持特性の導出を計るために,指に搭載可能な触覚センサの開発を行って,その諸特性の実験を行った.その実験結果として,下記のような結果を取得した. (1)2本指ハンドの触覚センサとして,指のセンシング表面(把持面)は55x30mmであり,そのセンシング可能範囲は,32x22mmである.また,触覚像は17x11のアレイで表現される. (2)触覚センサは上記仕様で高コンプライアンス形特性を導入し,その諸特性を実験的に取得した.とくに,物体把持状態の識別を可能にし,変位-圧力特性を導入することで,物体把持時における指間の物体位置評価,把持力評価が可能になった. (3)把持物体に付加される外力の推定が可能になり,組立作業などに見られる組み付け作業のセンシングに応用可能である.これは従来力覚センサによって実施されてきたが,本方式で同様のセンシングが触覚センサで可能になることを示した. つぎに,この触覚センサに視覚センサを付け加え,視触覚センシングとしてセンサフュージョンの理論構築と触覚サーボへの検討を行った.
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