研究課題/領域番号 |
08236208
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 埼玉大学 |
研究代表者 |
中原 弘雄 埼玉大学, 理学部, 教授 (10008849)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
1996年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | 第三高調波発生 / 第二高調波発生 / 累積膜 / LB法 / 水平付着法 / 水面単分子膜 / ト-ラン誘導体 / テトラフェニルポルフィリン |
研究概要 |
4本のフッ化炭素鎖をもつ無金属およびMnを含む数種のテトラフェニルポルフィリン誘導体を用いて、水面上に単分子膜として展開し、通常のLB(垂直浸漬)法と水平付着法で累積した膜について第三次高調波発生を測定してX^<(3)>を比較した結果、LB法で累積した膜の方がポルフィリン環同士の相互作用が強く、大きな値が得られた。一方、スチルベンの二重結合を三重結合にして光異性化反応を抑制したト-ランに電子供与基と受容基を導入した長鎖誘導体を合成し、水面上単分子膜の挙動を調べたところ、4-オクタデシル-4^1-ニトロト-ラン(ANT-18)単分子膜はかなり剛直な凝縮膜を形成し、その極限面積は28Å^2/分子であることから、単分子膜中ではアルキル鎖と共に発色団の長軸がほぼ垂直に近く配向していることが示唆された。また水面単分子膜をその場で観察したBAM像では表面圧0において既に結晶領域と思われる反射率の高い部分が見られた。さらに、LB法および水平付着法で累積した膜について二色性から発色団の配列状態を検討し結果、LB法で累積した膜では長軸が法線から約51度をなし、水平付着法で得た膜では約44度だあった。またQ-スイッチNd-YAGレーザを照射して532nmで求めた二次非線形光学感受率X^<(2)>の値にはいずれの膜においても顕著な面内異方性が観察された。すなわちLB法の場合には基板の浸漬方向に発色団の長軸が並ぶ傾向があり、head-to-tailのY型膜にもかかわらず強い第二高調波発生(SHG)が認められた。また水平付着法の場合には、細長い水槽を用いて水面単分子膜を圧縮しているため、発色団の長軸が圧縮方向に垂直に近くなる傾向があり、面内異方性を生じたと考えられる。SHG強度の平方根を層数に対してプロットすると、よい直線関係が成り立った。SHG強度が変調できる有機超薄膜の形成技術の知見が得られた。
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