研究課題/領域番号 |
08237203
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 茨城大学 |
研究代表者 |
柳田 昭平 茨城大学, 理学部, 教授 (40013429)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1996年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | SNR / shock acceleration / inverse Compton effect / TeV gamma-rays |
研究概要 |
10^<14>eV/n以下のエネルギーの宇宙線はSNRで加速生成されていると広く信じられている。これは超新星爆発が、それに伴う衝撃波による粒子加速機構を提供することと、さらに観測されている宇宙線のエネルギー密度を説明できるエネルギーを供給できるほとんど唯一の天体であることに基ずいている。しかしSNRにおいて100TeVものエネルギーを持つ粒子が実際に加速されていることを示す観測的事実は皆無であった。最近になって、超新星残骸SN1006のシェルにおいて、100TeVまでのエネルギーを持つ電子が存在することを示唆するX線が、人工衛星ASCAによって観測された。これは、SNRにおいて、宇宙線の加速が起きていることを直接証明する初めての観測結果である。 本研究では、電波からX線領域までのシンクロトロン放射スペクトルの観測と、衝撃波による電子加速理論から推定される電子のエネルギースペクトルとの比較から、SNRにおいて進行する粒子加速の過程を知る上で極めて重要なパラメータが得ることを定式化した。すなわち、更に、加速された高エネルギー電子の逆コンプトン効果によるTeVガンマ線強度の情報を組み合わせることによって、SNRの粒子加速領域の平均の磁場強度、電子のエネルギースペクトルと最大エネルギーが決定できることを示した。この結果は現在印刷中である。 さらにごく最近になって、期待されていたSN1006からのTeVガンマ線がCANGAROO実験によって観測された。予備的ではあるが極めて重要なこの観測結果に本研究結果を適用して、平均の磁場強度、電子の最大エネルギーなど、SNR中での粒子加速過程を解明するために重要なパラメータを決定することができた。
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