研究課題/領域番号 |
08239102
|
研究種目 |
重点領域研究
|
配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
今井 憲一 京都大学, 大学院・理学研究科, 教授 (70025493)
|
研究分担者 |
応田 治彦 高エネルギー加速器研究機構, 助手 (60221818)
田村 裕和 東北大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (10192642)
村上 哲也 京都大学, 大学院・理学研究科, 助手 (50219896)
高橋 俊行 東北大学, 大学院・理学研究科, 助手 (50281960)
橋本 治 東北大学, 大学院・理学研究科, 教授 (50092292)
|
研究期間 (年度) |
1996 – 1998
|
研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
|
配分額 *注記 |
136,000千円 (直接経費: 136,000千円)
1998年度: 28,300千円 (直接経費: 28,300千円)
1997年度: 77,000千円 (直接経費: 77,000千円)
1996年度: 30,700千円 (直接経費: 30,700千円)
|
キーワード | ハイパー核 / ストレンジネス / クリスタルボール / ガンマ線分光 / 微細構造 |
研究概要 |
ハイパー核の精密γ線分光のために、ビームをもちいた検出器や高速回路のテスト実験、開発研究の後、中国グループの協力も得て、14台の高純度G,検出器とBGO ComPton shieldからなるわが国最大規模のGe検出器システム"Hyperball"を完成させた。Hyperballの名はその初期の成果とともにすでに広く知られている。 最初のKEKでのHyperballを用いた^7Li_Λの実験で、史上はじめて高分解能(keV)のハイパー核γ線の観測に成功した。さらにDoppler attenuation法でγ遷移の寿命(B(E2))の測定にも初めて成功した。この実験ではE2遷移(5/2->1/2)の寿命測定から、以前に坂東、元場等が理論的に予言したように、ΛがくっつくことでLi核の半径が小さくなる(shrinkage effect)ことが初めて実験的に明らかとなった。また基底状態のspin doublet間のM1遷移(690keV,3/2->1/2)を測定したことで、ΛNのspin-spin相互作用について決定的なデータを与えた。これらの成果は精密γ線分光の威力をしめしたものである。 BNLでの^9Be_Λの実験ではLS力で分岐すると予想されるdoublet stateからの遷移(5/2->1/2と3/2->1/2)を観測した。現在まだ解析中だが極めて小さい分岐(30keV)を得ており、ΛN間のLS相互作用にも決定的な情報となる。このようにこの研究はハイパー核の精密γ線分光学の分野を新しく切り開いたもので、その学問的意義はきわめて大きい。 また実験と平行して、肥山等によりLiなどクラスター構造をもつハイパー核の3体、4体系の精密な構造計算が行われ、ΛN相互作用のとり方と実験データの比較が行われ、ΛN相互作用にたいして重要な情報を与えた。
|