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トンネル過程に環境のおよぼす効果の統一的研究

研究課題

研究課題/領域番号 08240217
研究種目

重点領域研究

配分区分補助金
研究機関京都大学

研究代表者

阪上 雅昭  京都大学, 総合人間学部, 助教授 (70202083)

研究期間 (年度) 1996
研究課題ステータス 完了 (1996年度)
配分額 *注記
900千円 (直接経費: 900千円)
1996年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
キーワードトンネル効果 / 密度行列 / 散逸
研究概要

トンネル過程をおこすマクロな自由度が無限個の調和振動子からなる環境と相互作用している系、いわゆるCaldeira-Leggettモデルを用いてトンネル過程に環境が与える効果の研究が盛んに行われている。藤川et.alは、このモデルを第2量子化し場の理論のFeynman図の方法を使ってトンネル自由度のエネルギーギャップに環境が与える効果を調べ、super-ohmicな散逸が生じる場合には環境の影響でトンネル確率が増加することを示した。本研究では、彼らの研究をさらに進め、エネルギーギャップだけでなくトンネル自由度の密度行列の時間発展の計算を行った。
まずトンネル自由度と環境を合わせた全系の波動関数の時間発展を量子力学での摂動論を用いて求めさらに環境について積分してトンネル自由度に対する縮減された密度行列を求めた。トンネル自由度のエネルギー固有値と固有関数がわかっているとして、それらに対する環境の影響を摂動的に計算した。まずエネルギー固有値については藤川et.alが場の理論を用いて求めたものと同じ結果を得た。さらに固有関数についても摂動計算をおこない、それらを使って全系の波動関数の時間発展を求めた。Caldeira-Leggettモデルでは環境が無限自由度でしかも連続スペクトルをもっているため、摂動的に計算した固有値に発散と虚数部分が現れる。発散は繰り込みにより処理した。エネルギーの虚数部は環境にエネルギーが流れる、つまり散逸効果を反映している。このため、環境はエネルギーギャップを変え、トンネル過程の時間スケールを変更すると同時に、トンネル自由度からエネルギーを奪いトンネル振幅を小さくすることが示された。

報告書

(1件)
  • 1996 実績報告書
  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] M.Sakagami,H.Kubotani T.Okamura: "Numerical Evaluation of Evolution of Density Matrix and Decoherence Due to Non-linear Dynamics" Progress of Theoretical Physics. 95. 703-716 (1996)

    • 関連する報告書
      1996 実績報告書

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公開日: 1996-04-01   更新日: 2016-04-21  

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