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金属の低温対数クリープにおける量子効果の研究

研究課題

研究課題/領域番号 08240223
研究種目

重点領域研究

配分区分補助金
研究機関京都大学

研究代表者

酒井 明  京都大学, 工学部, 教授 (80143543)

研究期間 (年度) 1996
研究課題ステータス 完了 (1996年度)
配分額 *注記
1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
1996年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
キーワードナノ接点 / 破断 / 量子化コンダクタンス
研究概要

低温でのクリープ変形装置についてはその設計・制作を行ったものの,装置を搭載するクライオスタットにトラブルが発生したため,クリープ変形については,まだ有用な知見を得るには到っていない.
また本研究に関して,ナノメートルサイズの材料の破断に関する研究を行い,特に金の場合にはコンダクタンスの量子化現象が確認されている.一般に金属の接点を開くときに接点の間に一時的にブリッジが形成され,接点が開くにつれてブリッジはネッキングを起こす.破断寸前にはネックの大きさは原子数個の大きさになり,その強度は理想結晶強度を示すと考えられている.今回の研究では金の接点で量子化コンダクタンスが観測され,実際にネックが原子レベルの大きさになっていることが確認された.また量子化コンダクタンスは接点のバイアス電圧を高くすると消失することが見出された.この現象は,高バイアス電圧では接点電流が大きくなるために,電子電流によるエレクトロマイグレーションの力が接点の原子に働き,接点を不安定にするためであると考えられる.実際が“電子風"による力は理想結晶の原子を動かす力と同程度となっている.金以外の金属の場合には,明瞭な量子化コンダクタンスが観測されず,これは材料の金属が金ほどの延性を有しないためであると考えられる.また半導体であるシリコンについても破断実験を行った結果,接点の安定な原子配置に対応すると思われるコンダクタンスのステップを見出すことができた.しかしこれらのステップは量子化コンダクタンスよりも小さい値となっている.この原因としては,シリコンでは電子のフェルミ波長が金属よりも大きいために,原子サイズの接点では量子化コンダクタンスのチャネルが形成されないことが考えられる.

報告書

(1件)
  • 1996 実績報告書
  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] 安田浩: "“金属のナノ接点における抵抗変化"" 第40回日本学術会議材料研究連合講演会前刷集. 91-92 (1996)

    • 関連する報告書
      1996 実績報告書
  • [文献書誌] Hiroshi Yasuda: "“Observation of quantum conductance in commercial gold contact relays"" Journal of Korean Physical Societyに掲載予定.

    • 関連する報告書
      1996 実績報告書
  • [文献書誌] 安田浩: "“市販リレーを用いた量子点接触の観測"" 日本物理学会秋の分科会講演概要集第2分冊. 638 (1996)

    • 関連する報告書
      1996 実績報告書
  • [文献書誌] 安田浩: "“市販リレーを用いた量子化コンダクタンスの観測"" 第57回応用物理学会学術講演会予稿集第2分冊. 346 (1996)

    • 関連する報告書
      1996 実績報告書

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公開日: 1996-04-01   更新日: 2016-04-21  

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