研究課題/領域番号 |
08240227
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
宮下 精二 大阪大学, 大学院・理学研究科, 教授 (10143372)
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研究分担者 |
多々良 源 大阪大学, 大学院・理学研究科, 助手 (10271529)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1996年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | トンネル効果 / ランダウジーナー機構 / 準安定状態 / ヒステリシス |
研究概要 |
格子の空間的構造のため、反強磁性ハイゼンベルク模型の基底状態がシングレットペアの敷き詰めで表わされる特殊な状態になっている例が多く見出されてきているが、それらの系で起こる基底状態相転移の様子を直接数値計算の方法で研究した。特に、強磁性鎖からなる梯子格子やイジング的異方性をもつ三角格子反強磁性ハイゼンベルク模型での古典的スピン状態と量子的スピン状態の間の相転移の性質を研究し、磁性非磁性相転移が起こることを発見しその特徴を明らかにした。さらには磁場中でのXY的異方性をもつ三角格子反強磁性ハイゼンベルク模型の新しい相の存在を古典モンテカルロ法で示し、それがエントロピー利得のためにおこる新しいタイプのものであることを明らかにした。さらにその相に相当する高磁場相が絶対零度の量子系にも存在することを確認し、相転移におけるエントロピー効果が基底状態での量子ゆらぎ効果と極めて類似していることを発見した。 また、スピンの動的性質を直接シミュレーションする方法を指数積分解の方法を用いて開発し、一軸異方性をもつ磁性体の磁場逆転に伴う運動の解析を行ない、そこで起こる非断熱遷移の確率をランダウ・ジーナーの機構で解析することで、2つの安定な状態間のトンネル効果によるエネルギーギャップの大きさを評価する方法を提案した。さらにその方法で量子的ヒステリシス現象における段階的振舞いの起源も明らかにした。また、スピン三量体での縮退基底状態における外磁場の時間的変化の伝搬の様子の直接観察を行なった。
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