研究課題/領域番号 |
08241217
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
根田 昌典 京都大学, 大学院・理学研究科, 助手 (10273434)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1996年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 衛星計測 / 大気海洋相互作用 / 海面熱フラックス / 水温変動 / 年々変動 / リモートセンシング |
研究概要 |
本研究では、海面温度と大気海洋間の乱流フラックスの季節変動と年々変動の関係を解析するための準備として、Konda et al.[1996]で得られた2°×2°月平均海面乱流熱フラックスデータを1987年7月から1992年12月の期間に延長した。次いで、現場観測値として、Konda et al.で用いられていたJMAとTOGA-TAOのブイに加えて、北アメリカ周辺のNODCのブイの現場観測値を用いることによってアルゴリズムと推定精度の海域依存性を調べた。 データから得られる平均的な年周期とブイのデータに対する推定誤差は、解析期間を延長してもほとんど変わらなかった。このことから、現場観測値との誤差は今後データの期間が延長してもほぼ変わらないと期待される。 Konda et al.の方法は、海上気温を水温、風速、海上比湿を代入する方程式によって求める。この方程式を得るために行った、項の大きさに関する仮定を調べたところ、仮定は海域によらず十分成立したので、気温推定の方程式自体の海域依存性は考えなくてよいことがわかった。また、代入量としてNODCのブイで得られた現場観測値を用いて気温を推定した場合、推定気温と現場観測値の差のバイアスやrmsといった推定精度は、これまでに行った日本近海と太平洋赤道域での結果とほぼ同じであった。したがってアルゴリズムとその精度には、有意な海域依存性はないと考えられる。得られた気温の推定精度は0.1±1.3℃であった。 一方、代入量として人工衛星データを用いて得た海上気温と顕熱フラックスの推定精度には海上風や水蒸気量の推定精度が特に影響する。しかし、日本近海と太平洋赤道域と北米周辺の結果を比較した場合、推定精度に有意な差はなかった。 また、人工衛星から得られた気温と顕熱フラックスの推定値と現場観測値の差には季節変動成分が見られる。これは、水蒸気量や海上風速の推定精度の影響が強いと考えられる。年々変動成分は誤差の季節変動の影響が小さくなるので、推定誤差が減少する。
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