研究概要 |
10μm以下の微細等軸結晶粒をもつTi-6Al-4V合金にいて、超塑性の発現が認められる試験温度900℃,ひずみ速度5*10^<-4>s^<-1>の下で超塑性加工試験を行った。スパッタエッチングによって表面を清浄化した試料と電解研磨を施しただけ試料について、超高真空(5*10^<-7>Pa)中では両者ののびおよび強度に有意差はない。ただし、低真空(5*10^<-3>Pa)中では清浄化した試料においてのびおよび強度の顕著な劣化が認められる。また、真空度を5*10^<-7>,5*10^<-4>,5*10^<-3>Paと変化させた実験では、Ni_3Alのような金属間化合物と同様にのびは真空度に敏感に反応し、真空度の低下に伴って減少する傾向がある。超塑性のびに及ぼす試験環境の影響は窒素,酸素,アルゴン雰囲気下での引張試験から明らかにしている。ガス環境におけるのびは、真空中ののびに比べていずれも下回っている。すなわち、破断のび量は真空中が最も大きく、ついで窒素,酸素,アルゴンの順となった。この傾向は、スパッタエッチングによって表面を清浄化した試料および電解研磨を施しただけ試料のいずれにおいても認められる。なお、真空とガスののびの差は清浄化した試料の方がより顕著である。また、超塑性のびに及ぼす試験温度およびひずみ速度の依存性も同様に、アパッタエッチング,真空度および試験環境の因子から明らかにした。
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