研究課題/領域番号 |
08242212
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
木塚 徳志 名古屋大学, 工学部, 助手 (10234303)
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研究分担者 |
田中 信夫 名古屋大学, 工学部, 助教授 (40126876)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1996年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | 粒界すべり / 高分解能電子顕微鏡 / 超塑性 / その場観察 / 原子分解能 |
研究概要 |
0.1nmの空間分解能と1/60秒の時間分解能をもつ高分解能電子顕微鏡その場観察方法により、電子顕微鏡内で生じるMgOとZnOの粒界すベりとその素過程となる粒界移動などの粒界挙動を原子直視的に解析した。 観察時の電子線照射により、粒界の原子拡散が促進され、MgOの粒界の規則構造化と粒界移動が観察された。この粒界は[001]軸周り36.9°の回転角をもつΣ5傾角粒界であった。初め粒界は非周期的に並んだ複数の局所的構造単位より形成されていた。粒界移動は周期構造の形成による直線化と界面方位の変化の2つの過程に分けられた。いづれの過程においても粒界は3つの局所的な構造単位ごとに移動することが明らかとなった。また、一度直線化した粒界が再び湾曲することから、粒界移動は局所的な安定構造の成長によって進行することがわかった。 粒径2〜10nmのナノ結晶粒ZnO多結晶膜を観察すると、電子線照射による原子拡散と脱離が促進され、相互に弱く結合しているナノ結晶粒は移動して他の粒に接近し、また隣接している粒から離れるようになった。これらの過程で粒界移動-構造遷移過程が高分解能観察された。[10.0]回り・120°の回転成分をもつ傾角粒界の移動とともに(00.1)のabab*abc積層変化の生じている領域が成長し始めた。この領域はウルツ鉱構造(六方晶)から閃亜鉛鉱構造(立方晶)に遷移した。粒界移動初期には構造遷移は可逆的に起きた。粒界移動と構造遷移が生じることによって界面における格子不一致は5.3%から0.36%に減少することから、これらの駆動力は界面の格子不一致によって生じる歪みであると結論された
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