研究課題/領域番号 |
08242213
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 三重大学 |
研究代表者 |
徳田 正孝 三重大学, 工学部, 教授 (90023233)
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研究分担者 |
稲葉 忠司 三重大学, 工学部, 助手 (70273349)
八木 一夫 三重大学, 工学部, 講師 (50201819)
佐脇 豊 三重大学, 工学部, 助教授 (00135427)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
1996年度: 2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
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キーワード | 超塑性現象 / 複合負荷 / 薄肉円筒試験片 / m値の再評価 / アルミニウム合金 / 材料不安定 / 形状不安定 / 超精密加工技術 |
研究概要 |
まず工業的応用も考えたとき、最も有望で期待されているアルミニウム系超塑性材料を試験材料として選択した。また試験片は、これで作られた外径8mm,内径5mm,標準点間距離10mmの薄肉円筒とした。実験装置には、電気炉付環境制御型複合負荷自動試験機を用いた。本研究では、まず試験片の形状が及ぼす影響を調べるため、薄肉円筒および中実試験片それぞれに対し、523K条件で応力とひずみ速度の関係を調べた。その結果、2つの関係はよい一致を示し、この温度条件ではm値(超塑性特性の評価パラメータ)は、おおよそ0.4であった。このことから、特殊な試験片の影響を受ける事なく複合負荷条件下の超塑性材料の力学的特性を調べることができることが確認された。この事実は、材料のくびれ現象が、材料不安定と形状不安定の2つの要因によることを考えると極めて重要な知見である。つぎに、この円筒試験片を用いて、ねじり試験および圧縮試験を行い、ここではm値が0.35であることを確認した。この結果からも分かるように、超塑性発現の指標とされるm値は、変形速度により異なるとともに、負荷形態によっても異なる値を取る。すなわち、これまで材料不安定の指標とされるm値は、単軸負荷のみにて論じられ正当化されていたが、このような複合負荷の点から再検討し、実際に複雑な負荷条件の発生する超塑性加工への正確な情報提供が極めて大切であることが確認された。超塑性現象を利用した超精密加工技術実現の為に、金属学的材料設計と並んでこのような力学的検討をさらに推し進める必要がある。
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