研究課題/領域番号 |
08243104
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研究種目 |
特定領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 茨城大学 |
研究代表者 |
小野 勝道 茨城大学, 工学部, 教授 (40006325)
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研究分担者 |
三沢 俊平 室蘭工業大学, 工学部, 教授 (70005982)
野方 文雄 岐阜大学, 工学部, 教授 (70047629)
亘理 文夫 北海道大学, 歯学部, 教授 (70158682)
小久保 正 京都大学, 工学研究科, 教授 (30027049)
天田 重庚 群馬大学, 工学部, 教授 (20222680)
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研究期間 (年度) |
1996 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
87,200千円 (直接経費: 87,200千円)
1998年度: 29,200千円 (直接経費: 29,200千円)
1997年度: 35,000千円 (直接経費: 35,000千円)
1996年度: 23,000千円 (直接経費: 23,000千円)
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キーワード | 傾斜機能材料 / 生物組織 / 適応成長 / 拡散律速反応 / 生体活性材料 / 自己組織構造 / 人工生体材料 / 階層組織 / 生体信号 / 傾斜材料 / 弾性率傾斜 / 人工骨 / 階層構造 / 生体活性 |
研究概要 |
本研究では構造や組織の傾斜化がうまく性質に生かされている生物の組織を手本として、生物組織の傾斜または階層構造の解析、組織形成の生化学的・化学的機構の解明をとおして人工傾斜機能材料の化学的な設計指針を得ることを目的とした。まず、植物の中で最も傾斜構造が巧みにその性質に生かされている竹の粘弾性特性を解析し、繊維含有率が小さい内部組織に粘弾性的な性質が顕著に表れることを明らかにした。このような組織形成の発現機構に関する情報を得るために成長中の植物に力学的、電気的、化学的刺激を加え組織形成を人工的に制御した。生物組織の傾斜分布構造を人工的に達成するために拡散-化学反応を制御してさまざまな傾斜分布を達成する方法を考案し、モデル計算を行った。この計算が正しいことを生体組織に近い弾性率をもつエラストマー傾斜材料に適用しその有効性を確かめた。さらに、人工的な濃度傾斜表面を用いて生体組織の発現機構として重要な自己組織構造を形成し、その時間的,空間的変化を制御する方法を確立した。以上の知見に基づき実用的な人工生体材料として、チタン-アルミ合金の表面に生体活性な傾斜構造を作製することに成功し、この合金表面にアパタイト層が形成されることを認めた。また、歯科材料用のチタン/アパタイト系のインプラントを作製し動物実験を行った結果、軟組織の反応性が傾斜的に変化することを認め、新生骨の形成に傾斜構造が有利であることを明らかにした。さらに、本研究で得られた知見に基づき鉄鋼表面にクロム置換ゲーサイトの傾斜組織を形成し、この構造が極めて優れた安定さび層として働くことを確認した。以上のように、本研究では生物組織の傾斜構造の解析に基づき、類似の構造を人工的に得る方法の開発、実用性の高い人工生体活性材料の開発など幅広い分野で多くの成果を得た。
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