研究課題/領域番号 |
08243211
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
岡 泰夫 東北大学, 科学計測研究所, 教授 (60013520)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
1996年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
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キーワード | 希薄磁性半導体 / 巨大磁気光学機能性 / 傾斜構造 / 量子井戸 / 量子ドット / 励起子 / 超高速分光 / 極微細加工 |
研究概要 |
希薄磁性半導体は、Mn、Fe、Coなどの磁性イオンを陽イオンの一部として含む化合物半導体で、Cd_<1-x>Mn_xTeやCd_<1-x>Mn_xSeなどがその代表的なものである。これらの物質は、含まれる磁性イオンの影響によりおおきな磁気光学的性質を示す。本研究の目的は、ナノメートル・スケールでの傾斜分布構造をもつ希薄磁性半導体物質を創製し、磁気光学機能性を開発することである。 希薄磁性半導体を素材とした量子井戸試料を、ホットウォール・エピタキシ-法により作成し、磁性イオン濃度や井戸層厚を変化させたCd_<1-x>Mn_xTe/ZnTe多重量子井戸や非対称二重量子井戸を得た。また、スパッター法と熱処理により、Cd_<1-x>Mn_xSe希薄磁性半導体量子ドットををガラスマトリクス中に成長させた。量子井戸系では、電子の量子閉じ込めによる磁気光学効果の増大や電子正孔のトンネル効果、励起子ダイナミクスについての知見を得た。また、量子ドット系では、発光寿命や磁気ポーラロン効果の粒径依存性を測定し、傾斜分布型量子ドット系の磁気光学機能性開発の指針を得た。 電子や励起子の波動関数の広がりが10nm程度以下に制限された希薄磁性半導体ナノ構造では、磁性イオンと電子スピンの交換相互作用の量子効果が生じでくるため、分子線エピタキシ-による成長技術と電子線リソグラフィーによる極微細加工技術を組み合わせて物質設計と創製を行う必要があり、これにより、種々の希薄磁性半導体傾斜ナノ構造材料とその機能性の開拓が可能となる。
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