研究課題/領域番号 |
08243235
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
新原 晧一 大阪大学, 産業科学研究所, 教授 (40005939)
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研究分担者 |
左 容昊 大阪大学, 産業科学研究所, 助手 (10283805)
関野 徹 大阪大学, 産業科学研究所, 助手 (20226658)
上田 智 大阪大学, 産業科学研究所, 講師 (20029870)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1996年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | 傾斜機能 / ナノコンポジット / ナノ複合材料 / ナノ機能制御 / 双方向ナノコンポジット / 破壊強度 / 破壊靱性 / セラミックス / 金属界面 |
研究概要 |
ナノメーターサイズの金属をセラミックスマトリックスの粒子内あるいは粒界に分散させた粒界及び粒内型傾斜機能ナノ複合材料を、種々のプロセスにより作製することに成功した。これら材料では、数10〜100nmの微細な金属が均一に分散しており、室温での破壊強度、硬度などの機械的性質が単相材料に比較して著しく改善されることが示された。セラミックス/金属の界面には反応相などは無いものの、金属の種類やそのサイズによって構造の乱れが存在することが示された。また、このようなセラミックス/金属ナノ複合材料を更に制御することによっMo/ZrO_2では、セラミックス/金属と金属/セラミックスの相互ナノ複合材料を作製することができた。この相互ナノ複合化の効果を用い作製した材料の機械的特性は、強度、靱性とも大幅に改善された。 この様な特性の改善は、従来、転移強化セラミックスでは限界と考えられて来た強度、靱性のトレードオフを打破するものであり、この特性改善はジルコニアの変態強化機構に加え、金属相添加によるクラック近辺での応力緩和機構に基づく本質的な靱性の改善、及び相互ナノ複合化による組織の微細化などの相乗効果に起因するものと考えられる。即ち、本研究により、従来にないレベルでの傾斜機能材料の開発に繋がるナノレベルの組織制御や界面制御によるセラミックス/金属ナノ複合材料の作製とその機械的特性の改善に成功した。本年度の以上の研究成果は、セラミックス/金属ナノ複合材料において機械的特性の改善のみならず、電気的・磁気的な新たな機能を付与することも将来的に可能であることを示しており、本研究により最終的には機械的特性と何らかの機能性を合わせもった機能傾斜構造材料が具現できるものと期待される。
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