研究概要 |
金属、合金の中の電子はかなり自由に移動しているので、原子間の相互作用は2体の相互作用では表せられないというのが、最近の定説である。そこで、本研究においては、純金属中の原子相互作用を原子挿入ボテンシアルを用いて表すため、全エネルギーはE_<total>=ΣE_i,i番目の原子のエネルギーはE_i=E(p)+(1/2)Ф(r_<ij>)で表す。r_<ij>=|r_i-r_j|で、ここで、E(p)=ap 1n(p)であり、原子iでの電子密度はp_i=Σf(r_<ij>)、Ф(r_<ij>)=b_1(r_<ij>-r_<c1>)^2 exp(-C^1r^<ij>),f(r_<ij>)=b_2(r_<ij>-r_<c2>)^2exp(-c_2r_<ij>)と表した。r_<c1>=1.65d,r_<c2>=1.95dとした。dは最近接原子間距離である。先ず、金、銀、銅について、これらのパラメーターを決定した。次に応用が広い体心立方格子をもつ金属、鉄、ニオブ、クローム、モリブデン、タンタル、タングステン、バナジュームなどの金属についても、これらのパラメーターを決定した。われわれの知る限りでは、体心立方金属の原子挿入ポテンシャルを決め体心立方構造が安定であるポテンシャルを決めることができたのは、他に例がない。さらにこれらの間の合金についても相互作用を決定した。これらの合金において、合金化の生成熱を計算したが、実験に合うことがわかった。また平衡状態図と合わせてないので、早急に平衡状態図を合金化によりだそうと思っている。 今後はこれらの合金の傾斜材料を組み合わせ、濃度が次第に変化する傾斜材料を作り、電気伝導度、熱伝導度の計算を行う。
|