研究課題/領域番号 |
08243246
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | (財)神奈川科学技術アカデミー |
研究代表者 |
大越 慎一 財団法人神奈川科学技術アカデミー, 橋本プロジェクト, 研究員 (10280801)
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研究分担者 |
佐藤 治 (財)神奈川科学技術アカデミー, 橋本プロジェクト, 研究員 (80270693)
石橋 賢一 (財)神奈川科学技術アカデミー, 橋本プロジェクト, 研究員 (70270692)
菊池 良彦 (財)神奈川科学技術アカデミー, 橋本プロジェクト, 研究員 (20280802)
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研究期間 (年度) |
1996 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1996年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
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キーワード | 強磁性体 / 光誘起磁極反転 / フェロ-フェリ混合磁性 / 傾斜的磁性薄膜 |
研究概要 |
目的 分子磁性体は、スピン間の相互作用を考慮してスピン源および配位子を設計することができるため、従来には無い多様な磁気特性を工学できることが期待されている。その中で、フルシアンブルー類似体は、安定な分子磁性体として最も高い磁気相転移温度を示す。また、二種類の金属がシアノ基で交互に架橋された三次元構造をしており、金属の選び方によりフェロ磁性を示したりフェリ磁性を示したりする。本研究では、フェロ磁性とフェリ磁性を組み合わせるという新規概念(フェロ-フェリ混合磁性)で三元金属系錯体を合成し、その傾斜的磁気特性について検討した。 研究成果 本研究では、このようなプルシアンブルー類似体を用いて以下のような研究を行った。まず、磁気物性の傾斜的特性という観点からプルシアンブルー類似体をモデルに用いて、金属間の電子スピンが平行になる強磁性相互作用(J>O)と反平行になる反強磁性的相互作用(J<O)を組み合わせた三元金属系錯体を合成し、その磁気特性と検討したところ、飽和磁化などを混合比で制御できることがわかった。次ぎに、このフェロ-フェリ混合磁性を応用して光により磁性体の磁極を反転させる試みを行い、成功した(光誘起磁極反転)。さらに、材料の組成を傾斜させた傾斜的フェロ-フェリ混合磁性薄膜を電気化学的に合成し、その構造および磁気特性について研究を行った。吸収スペクトル、IRスペクトル、粉末X線回折の測定結果から、この膜はFe^<II>_<1.5>Cr^<III>(CN)_6とCr^<II>_<1.5>Cr^<III>(CN)_6の間の物性を示しており、Fe^<II>とCr^<II>が原子レベルで混合した(Fe^<II>_XCr^<II>_<1-X>)_<1.5>[Cr(CN)_6]膜であることがわかった。また、この混合膜には、電気量依存性などが認めら、膜厚方向で組成が傾斜していることがわかった。その磁気特性は、10GにおけるFCM測定の結果から、電気量を大きくするに従って、70K付近に極大値をもつような温度依存性を示すことがわかった。
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