研究分担者 |
宮下 正昭 北海道大学, 大学院・理学研究科, 教授 (50006326)
冨士 薫 京都大学, 化学研究所, 教授 (20027056)
橋本 俊一 北海道大学, 薬学部・総合薬学科, 教授 (80107391)
竜田 邦明 早稲田大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (40051627)
北 泰行 大阪大学, 薬学部, 教授 (00028862)
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配分額 *注記 |
139,900千円 (直接経費: 139,900千円)
1998年度: 35,500千円 (直接経費: 35,500千円)
1997年度: 39,600千円 (直接経費: 39,600千円)
1996年度: 64,800千円 (直接経費: 64,800千円)
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研究概要 |
本研究では,現在その生理活性や特異的な構造が注目を集めている代表的な高次構造天然有機化合物を視野におき,これらの化合物の基本炭素骨格の構築,あるいはその立体化学の制御を可能とする新しい合成手法を開発することを目的とし研究を行った。本年度はその最終年度であり,各班員がこれまでの成果をもとに,高次構造天然化合物の合成を検討した。具体的な成果を以下に示す。・オキシム窒素原子上での置換反応を含窒素複素環化合物の合成法として確立し,これを利用して,Xenovenineの全合成を達成した。・エポキシアシラートの骨格転位反応と,多環性化合物間のDiels-Alder反応を鍵反応として,Fredericamycinの不斉全合成を達成した。また,超原子価ヨウ素試薬によるキノンイミン合成反応をもとに,Makaluvamineの全合成にも成功した。・新しい15員環形成反応を開発し抗HIV活性を有する(+)-Terpestacinの全合成を達成した。・キラルなロジウム(II)錯体触媒を用い不斉分子内C-H挿入反応を実現し,ホスホジエステラーゼ阻害剤の全合成に成功した。またカルボニルイリドの不斉1,3双極子環化反応を実現し,これを用いてZaragozic Acidのコア部分の立体選択的な合成を行った。・不斉ニトロオレフィン化反応を確立し,これを用いてSpirotryptostatin Bの基本骨格の構築を行った。・γ,δ-エポキシアクリル酸エステルを利用した不斉第四級炭素構築法をもとに,Scytophycin Cの合成を検討した。・mRNAのプロセッシングに必要な3'部位がbiotin標識されたU1RNAの5'末端部位の合成を行い,これを活用して核膜透過シグナルタンパクの単離同定に成功した。・酒石酸エステルを不斉源として用いる不斉1,3-双極子付加環化反応を利用して,Lasubine IIの合成を行った。
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