研究課題/領域番号 |
08245213
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
柴崎 正勝 東京大学, 薬学部, 教授 (30112767)
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研究分担者 |
荒井 孝義 東京大学, 薬学部, 助手 (80272483)
笹井 宏明 東京大学, 薬学部, 助教授 (90205831)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
1996年度: 3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
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キーワード | ハレナキノール / 不斉Heck反応 / 鈴木クロスカップリング反応 / 多段階ワンポットプロセス / カプネレン / アルシン / パラジウム / カスケード反応 |
研究概要 |
本課題ではこれまでにない効率的な反応として、多段階ワンポットプロセスの不斉触媒化に取り組んでいる。まず、研究代表者らが世界に先駆けて実現した不斉Heck反応を多段階ワンポットプロセスに組み入れ、触媒的不斉多段階ワンポットプロセスを鍵工程とする生物活性天然物ハレナキノールの触媒的不斉合成を検討した。反応条件を種々検討した結果、ビストリフラート体とin situで調製したボラン-オレフィン試薬を基質として、20mol%の0価パラジウムと(S)-BINAP存在下反応させると、鈴木クロスカップリング反応と不斉Heck反応の二度の炭素-炭素結合生成反応が進行し、不斉収率85%で目的物を与えることを明らかにした。本反応は鈴木クロスカップリング反応、不斉Heck反応の多段階ワンポットプロセス化に成功した初めてのカスケード反応であり、極めて有用性の高い反応である。また、リガンドとしてトリフェニルアルシンを用いると反応が大きく加速されることも見出しており、アルシンリガンドの有用性、および光学活性アルシンリガンドについて現在検討中である。一方、不斉Heck反応とカルバニオンキャプチャー反応を組み合わせた多段階ワンポットプロセス反応についても検討をおこなった。トリフラート体に種々のカルバニオン存在下(S)-BINAPをリガンドとするパラジウム触媒を作用させると、不斉Heck反応に続いてアニオンキャプチャー反応が収率よく進行することを明らかにした。さらなる条件検討をした結果、臭化ナトリウムを添加することにより不斉収率が向上することを見出し、最高94%eeで目的物を与えることを明らかにした。このワンポットプロセスを鍵工程として、海洋天然物カプネレンを短工程にて触媒的不斉全合成をおこなうことにはじめて成功した。
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