研究課題/領域番号 |
08245214
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
古賀 憲司 東京大学, 薬学部, 教授 (10012600)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1996年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | エノラートイオン / 触媒的不斉合成 / 脱プロトン化 / 不斉アルキル化 / 不斉プロトン化 / キラルリチウムアミド / 四配座型キラルアミン / 配位子交換 |
研究概要 |
エノラートイオンは有機合成化学において最も繁用される化学種である。したがって、その合成と反応は有機合成化学の最も重要なプロセスである。先に我々は、リチウムエノラートの合成(カルボニル化合物の脱プロトン化)と反応(アルキル化、プロトン化等)の両プロセスをエナンチオ選択的な不斉反応とし得ることを初めて見出した。本研究はこれらの反応を触媒的不斉反応へと展開することを目的とし、以下の成果を得た。 1.触媒的不斉脱プロトン化反応:二配座型キラルアミン(0.3当量)と三配座型アキラルリチウムアミド(2当量)を組み合わせてリチウム-水素交換反応を反応系中で行わせることにより、プロキラルなカルボニル化合物の触媒的不斉脱プロトン化反応を実現できる系を見出した。 2.触媒的不斉アルキル化反応:四配座型キラルアミン(0.05当量)と二配座型アキラルアミン(2当量)を組み合わせることにより実現したアキラルなリチウムエノラートの触媒的不斉アルキル化反応の機構に検討を加えた。また、リチウムに対する四配座型アミンのアルキル化反応促進効果を見出し、発がん性が報告されているHMPAに代わり得る強力なアルキル化反応加速剤としての可能性と追求している。 3.触媒的不斉プロトン化反応:四配座型キラルアミン(0.2当量)を用い、トルエン溶媒に実質的に不溶な琥珀酸イミドをプロトン源とすることにより、プロキラルなリチウムエノラートの触媒檄不斉脱プロトン化反応を実現した。本法は、α-位に不斉炭素を持つラセミのカルボニル化合物の光学活性体への変換(脱ラセミ化)を意味しており、実際的応用が期待できる。
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