研究課題/領域番号 |
08245234
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
富岡 清 京都大学, 薬学部, 教授 (50114575)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
1996年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
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キーワード | リチウムエノラート / 三成分錯体 / リチウムアミド / キラル配位子 / 活性化 / イミン / β‐ラクタム / 触媒 |
研究概要 |
実戦的有機合成化学の中心的課題が炭素‐炭素結合の形成法である限り、高活性反応剤を自在に現代合成化学のなかに取り込めなくては、その発展には限りがある。 我々は既に、有機リチウムやマグネシウムを炭素求核剤とする触媒的不斉反応の開発に向けて、その可能性を探ってきた。本研究では、高い反応性を持つ有機リチウム、有機グリニャ-ル、リチウムエノラート等の汎用金属反応剤を、反応性を制御し、不斉反応の求核剤とし、触媒的不斉反応に組込み、実戦的方法論として確立することを検討した。 特に、こうした汎用高活性有機金属反応剤の触媒的不斉反応への組込み手法を重点的に開発するため、以下の検討を行った 1 リチウムエステルエノラートを反応剤とする反応制御法 リチウムエステルエノラートの立体化学制御を可能とするキラルエーテル配位子は、その添加によりイミンへの不斉付加反応を可能とした。しかし、不斉収率は60%と不満足なものであった。系統的な反応活性種錯体の検討により、リチウムアミドを添加すると、反応性の向上と共に立体選択性も飛躍的に向上し90%を越えることを見出した。この三成分錯体反応剤は系中に生成する他の錯体種よりも反応性が高いため、触媒量のキラルエーテルを用いた不斉触媒反応へ展開することが出来た。また過剰に添加したリチウムアミドは脱プロトン化による副反応を起こさなかった。 2 グリニャ-ルを反応剤とする反応制御法でも新たな不斉共役付加反応の開発に成功している。 本年度から京大薬学部に新たな研究拠点を再度構築中であり、本重点領域に加えて頂けたことは大変に有り難かった。
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