研究課題/領域番号 |
08245252
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 岡山理科大学 |
研究代表者 |
上西 潤一 岡山理科大学, 理学部, 教授 (50167285)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1996年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
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キーワード | Z-ブロモアルケン / トリブチルスズヒドリド / パラジウム触媒 / 加水素分解 / ポリエン合成 / エンジイン |
研究概要 |
本研究課題は、炭素鎖が共役した化合物も含めてZ型ブロモアルケンの新しい合成法を提供し、これを用いて化学的に不安定なポリエン、エンジイン類の合成に応用することが目的である。反応はジブロモアルケンに、トリブチルスズヒドリドと触媒量のPPd(PPh_3)_4を加えて室温で反応させて行った。その結果、選択的な加水素分解がおこり対応するZ型ブロモアルケンだけを得ることが出来た。本反応の特徴は、つぎのように整理される。(1)可能なジブロモアルケンの基質としては種々のスチレン類、脂肪族化合物、そしてジエン、トリエン、エンインなどの炭素鎖の共役した化合物を用いることが出来る。(2)存在が許容される官能基としては、エステル、各種エーテル、フェノール、カルボン酸、アルコール、ピリジル、ジメチルアミノ基など幅広い。(3)溶媒としてはベンゼン、トルエン、酢酸エチル、エーテル、THFほかジクロロメタンを用いることが出来る。(4)パラジウム触媒としてはPd(PPh_3)_4が最もよい。しかしながら、酢酸パラジウムに約2-4等量のトリフェニルホスフィンを加えることで同等のパラジウム触媒を調整することが出来る。(5)加水素分解に使用するハイドライド源としてはトリブチルスズヒドリドが現在のところもっとも良い。 この反応で得られたZ型ブロモアルケニル化合物は、アルケニルボロネートと鈴木カップリングを、そしてアルキンと園頭反応をおこし、収率よく対応するZ-アルケニル部分を真中に含む炭素共役化合物を与えた。また、これらのZ型ブロモアルケンの合成反応およびアルケンやアルキンとの結合反応はワンポットで行うことができる。最も、代表的な反応として、1,1-ジブロモ-1-ブテン-3-イン誘導体を基質に用い加水素分解反応とアルキンの結合反応を行い一挙にエイジインを得ることが可能となった。
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