研究課題/領域番号 |
08245253
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 岡山理科大学 |
研究代表者 |
大寺 純蔵 岡山理科大学, 工学部, 教授 (20131617)
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研究分担者 |
折田 明浩 岡山理科大学, 工学部, 助手 (30262033)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1996年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | 超簡略化プロセス / ワンポット反応 / 多段階反応 / ビタミンA / スルホン / ゲラニル |
研究概要 |
化学合成は通常多段階の化学反応を連結して達成される。各段階はそれぞれ独自に最適化され、それらの組み合わせにより標的化合物に倒る最適プロセスが決定される。このようなアプローチはこれまで目覚しい成果を挙げてきたが他面ではその限界が見えつつあることも事実である。本研究は現在多段階に分けて行われている種々の化学反応を同一の反応器で遂行し中間体の単離工程を省略することにより、格段に簡略化されかつ環境に調和した化学製品製造プロセスの創製を目的とする。 我々はすでにシクロゲラニルスルホンのアニオンとホルミルゲラニルアセタートの反応(第一段階)により得られるアルコール体を酸性条件下でアセタールに変換し(第二段階)アルコキシカリと処理する(第三段階)ことによりビタミンAが簡便に得られることを報告している。本研究では第二段階のアセタール化を塩基性条件下で行うことによりシクロゲラニルスルホンのアニオンとホルミルゲラニルアセタートからワンポットでビタミンAが合成できることを明らかにした。さらに、ワンポットプロセスでは従来の多段階プロセスに比べて収率(67%から78%)が著しく向上する。最終の第三段階の収率が両プロセスで同じであると仮定するとワンポットプロセスにおける第一、第二段階の収率は100%となる。明らかに中間体単離、精製工程に付随するロスが回避されている。さらに本法の特色である生成ビタミンAの高いオールトランス比率はワンポット化によっても全く損なわれていない(93%)。 以上、本研究により反応の簡略化が合成化学的に如何に有望であるか示すことができた。
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