研究課題/領域番号 |
08246203
|
研究種目 |
重点領域研究
|
配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
市川 勝 北海道大学, 触媒化学研究センター, 教授 (70176288)
|
研究分担者 |
立花 純一 北海道大学, 触媒化学研究センター, 講師(中核的研究機関
大西 隆一郎 北海道大学, 触媒化学研究センター, 助手 (30001720)
|
研究期間 (年度) |
1996
|
研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
|
配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1996年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
|
キーワード | 高分子ナノ空間 / 金属クラスター / シーケンス反応制御 / シップインボトル合成法 / NO還元反応 / 白金ナノ細線 / 鋳型合成 / 光触媒機能 |
研究概要 |
ゼオライト、カーボンチューブや有機包接体は高分子ミクロ空間組織体であり、分子サイズの細孔やトンネル構造(1〜10nm径)を有する立体的に制約された物質合成のミクロ反応容器である。本研究ではこれまでゼオライトのミクロ細孔やトンネル空洞を利用した、特異な構造の多核金属カルボニルクラスター錯体や硫化物クラスターを内部合成する"シップインボトル合成法"を開拓した。平成8年度にはミクロゼオライト細孔内ではRu_6や三角プリズム型Pt_<12>カルボニルクラスターの骨格構造の解離【double arrow】再構成、例えば[Pt_<12>【double arrow】Pt_9+Pt_3])が532nm光照射下で可逆的に進行して、H_2O+CO反応やH_2の分解反応を光触媒的に促進するといったクラスター骨格の光励起過程に関する知見が得られた。こうした背景的研究上に立ち、高分子ナノ空間内の活性金属クラスター分子の生成と分解に対するシーケンス反応制御の研究を進めた。その結果特筆すべき以下の研究成果が得られた。1.ミクロ細孔(12Å径)及びメゾ細孔(28及び48Å径)を有する多孔質結晶内でのPt及びRhカルボニルクラスター錯体のシップインボトル合成が可能になり、メゾ細孔内Ptカルボニルクラスターの構造特性とNO還元反応及び水成ガス反応に対する高い触媒活性を得た。2.光やγ線照射を利用したFSM-16メゾ細孔内に2-4nm長の白金ナノ細線の鋳型合成に成功した。それらのCOガス吸着特性や磁気的特性について大変興味ある結果が得られた。3.メゾ細孔に導入した金属ポルフリン錯体及びC_<60>からなる複合系の分子状酸素の1:1付加体の形成を初めて明らかにしそれを用いるプロピレンの選択酸化反応において顕著な光触媒活性が見いだされた。本年度の研究者間の役割分担としては、市川がクラスターの分子設計と反応評価を、大西が微空間クラスターの反応制御を、また立花がポルフリン錯体とC_<60>複合系のメゾ空間組織構造内の可逆的酸素吸着と光触媒機能の研究を担当した。
|