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位置選択的に合成したフラーレン誘導体等をモノマーとした2次元組織体の構築と機能

研究課題

研究課題/領域番号 08246207
研究種目

重点領域研究

配分区分補助金
研究機関群馬大学

研究代表者

西村 淳  群馬大学, 工学部, 教授 (10107352)

研究分担者 中村 洋介  群馬大学, 工学部, 助手 (60261864)
研究期間 (年度) 1996
研究課題ステータス 完了 (1996年度)
配分額 *注記
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1996年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
キーワード[60]フラーレン / オルトキノジメタン誘導体 / Diels-Alder反応 / 付加位置の制御 / 光学分割 / ビスフェノール体 / キラルな付加様式 / 絶対配置
研究概要

オルトキノジメタン誘導体を[60]フラーレンに位置選択的・立体選択的にビス付加させる方法を開発した。即ち、二回目の付加に位置選択性を持たせるため、前駆体をメチレン鎖で連結した化合物と、[60]フラーレンとのDiels-Alder反応により付加位置を制御した。架橋鎖のメチレン鎖の数を2あるいは3とした場合、同一半球の(A,C)付加体1と(A,D)体2のみが生じ、5とすると(A,H)体3のみが選択的かつ良好な収率で得られた。C2対称性の2と、C1対称性の3は、原料化合物がアキラルにもかかわらずキラルとなる。
これらをアミロース修飾体を固定相としたHPLCにより光学分割し、それぞれを単離してCDスペクトルを測定したところ、鏡像関係のスペクトルが観測され互いに鏡像体であることを明確に示唆した。C2対称性を有する2はキラルな付加様式のため、分子楕円率や旋光強度が非常に大きいが、置換基によってC1対称性を有し、[60]フラーレン表面上に局所的対称要素を持つ3の値は非常に小さいことが分かった。
2のエナンチオマーの絶対配置を決定するため、(R,R)-(-)-2,3-Butanediol残基を架橋鎖に用いて、一方のエナンチオマーをジアステレオ選択的に合成することに成功した。このCDスペクトルを利用してそれぞれの絶対配置を決定した。
400nmより長波長の領域において、2の紫外スペクトルの吸光度は小さく、ピーク位置も判別しがたいが、CDスペクトルの分子楕円率はこの範囲にあっても大きく、特に700-800nmのピークは位置異性体それぞれに特徴的であり、理論的検討に有効と期待される。
ビス付加体1-3の架橋鎖はルイス酸を用いて容易に切断できることが分かり、フェノール残基を二つ持つフラーレンビス付加体4-6へと変換することにも成功した。このようにして合成したビスフェノール体はフラーレン骨格の厚み8Åを持つ二官能性モノマーと見なすことができる。これらモノマー4-6を等モルのスペーサーと反応させ、ポリエステルやポリアミド、ポリエーテルの合成を試み、マクロな系での興味ある機能の発現を目指している。

報告書

(1件)
  • 1996 実績報告書
  • 研究成果

    (11件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (11件)

  • [文献書誌] S.Inokuma: "Ag^+-sclective Bisaminimides Possessing Oligo (oxyethylene) Linkages" Chem. Lett.123-124 (1996)

    • 関連する報告書
      1996 実績報告書
  • [文献書誌] Y.Nakamura: "Synthesis,Structure,and Electronic Properties of syn-[2.2] Phenanthrenophanes : First Observation of Their Excimer Fluorescence at High Temperature" J. Am. Chem. Soc.118. 1006-1012 (1996)

    • 関連する報告書
      1996 実績報告書
  • [文献書誌] Y.Nakamura: "Relaxation Processes in the Exited State of C60-o-quinodimethane Adducts" J. Chem. Soc.,Faraday Trans.92. 377-382 (1996)

    • 関連する報告書
      1996 実績報告書
  • [文献書誌] Y.Nakamura: "Inclusion Crystals from Naphtharenophanes in Aromatic Solvents" Mol. Cryst. Liq. Cryst.276. 105-112 (1996)

    • 関連する報告書
      1996 実績報告書
  • [文献書誌] Y.Okada: "A New Molecular Cleft for Organic Diols by Using a Rigid Calixarene Analog" J. Soc. Photogr. Sci. Technol. Japan. 59. 471-474 (1996)

    • 関連する報告書
      1996 実績報告書
  • [文献書誌] Y.Nakamura: "Synthesis and Properties of [2.2] (3,3′) Biphenylo (3,6) phenanthrenophane" Tetrahedron Lett.37(22). 3877-3880 (1996)

    • 関連する報告書
      1996 実績報告書
  • [文献書誌] S.-R.Gao: "Selective Ion Clefts Based on a Three-Bridged [43] Cyclophane" J. Inclusion Phenomena. 23(4). 329-341 (1996)

    • 関連する報告書
      1996 実績報告書
  • [文献書誌] 中村洋介: "フラーレンの化学の最近の進歩その1-[60]フラーレンへのオルトキノジメタンおよびその類様体の付加反応・生成物の物性." 有機合成化学協会誌. 54. 574-579 (1996)

    • 関連する報告書
      1996 実績報告書
  • [文献書誌] 中村洋介: "グラフ理論と辺ラベル法" 有機合成化学協会誌. 54. 623-623 (1996)

    • 関連する報告書
      1996 実績報告書
  • [文献書誌] M.Taki: "Selective Functionalization on [60] Fullerene Gorverned by Tether Length," J. Am.Chem. Soc.(in press). (1997)

    • 関連する報告書
      1996 実績報告書
  • [文献書誌] M.Yamaji: "Laser Flash Photolysis Studies on Dynamic Bchaviors of Triplet Naphthalenophanes Scnsitized by Triplet Bcnzophcnone" J. Phys. Chem.(in press). (1997)

    • 関連する報告書
      1996 実績報告書

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公開日: 1996-04-01   更新日: 2016-04-21  

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