研究課題/領域番号 |
08247104
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
榊 裕之 東京大学, 生産技術研究所, 教授 (90013226)
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研究分担者 |
谷口 研二 大阪大学, 工学研究科, 教授 (20192180)
井上 正崇 大阪工業大学, 電気工学科, 教授 (20029325)
坪内 和夫 東北大学, 電気通信研究所, 教授 (30006283)
雨宮 好仁 (雨宮 好二) 北海道大学, 工学研究科, 教授 (80250489)
鳳 紘一郎 東京大学, 新領域創成科学研究科, 教授 (60211538)
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研究期間 (年度) |
1996 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
191,100千円 (直接経費: 191,100千円)
1999年度: 20,800千円 (直接経費: 20,800千円)
1998年度: 35,600千円 (直接経費: 35,600千円)
1997年度: 47,700千円 (直接経費: 47,700千円)
1996年度: 87,000千円 (直接経費: 87,000千円)
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キーワード | FETメモリー / SET寸法スケーリング / InAs / 非対称ターンスケール / 単電子回路シュミレーター / 単電子多数決論理システム / サブバンド間遷移 / InAs量子ドット / InAs系 / シングルエレクトロン多数決論理システム / 単電子FETメモリー / 非対照ターンスケール / 単電子回路シミュレータ / 単電子素子 / 量子箱 / 帯電効果 / テラヘルツ光 / 分割ゲート構造 / 単電子トランジスタ(SET) / インジウム砒素(InAs) / トンネル現象 |
研究概要 |
第3班では、単電子効果や量子ドットを用いた素子の高性能化と新機能の実現を探るとともに、新しい回路やシステムについて研究を進め、以下の成果を得た。 まず、InAs量子ドットを組み込んだGaAs/AlGaAsFETを開発し、単電子の捕捉に伴うメモリー機能を実証した。また、光励起正孔の捕捉により光検出機能を実現した。さらに、InAs量子ドット内の離散準位を介する共鳴トンネル伝導の特色を解明した。 次に、GaSb/InAsヘテロ構造にAFM探針による選択酸化を施し、特性寸法100nm以下の素子を作製し、明瞭な単電子動作を実現した。また、ケルビン探針によるInAs量子ドットの表面電位の計測やカーボンナノチューブの探針としての特色を明らかにした。 また、LSI技術と整合した単電子素子技術を探索した。特に、SOI形MOSFETで量子点接触を作り、単電子トランジスタの室温動作を実現し、さらにクーロン振動の新制御法を開発し、方向性電流スイッチを試作実証した。また、Siナノ結晶を用いたメモリー用の側面チャネル素子構造とCMOSセンス増幅器を検討した。 単電子素子や回路のモデリングとアーキテクチャの研究を進めた。単電子メモリーのマスター方程式解析やSPICEを拡張し、CMOSとSETの高速シミュレーションを可能とした。また、トンネルに伴う障壁形状の変化を考慮した解析法も示した。次に、ビット当りのエネルギーEbと熱雑音kTとの比や残留電荷が、SETの誤差率(BER)に及ぼす影響を解析した。特に、ゲインを利用して回路動作の不安定性を回避するための整合フィルタ型論理回路を提案、さらにSETとCMOSのハイブリッド回路を介して外部のバス駆動すれば、微弱信号の入出力のできることを示すとともに、浮遊電荷量を10^8cm^2/以下にし液体He温度以下と動作させれば、大規模SETシステムの実現できることを示した。 さらに、二分決定グラフ論理表現や多数決論理にもとづくSET回路システムを設計するとともに、電子の個数を多値信号に対応させた論理回路やトンネル輸送とグラフ論理表現を組合せた量子ドット論理回路システムの設計を行った。 また、単電子効果と量子ドットの赤外・テラヘルツ応用も探り、InAs量子ドットを用いた赤外光検出を提案実証し、サブバンド間遷移スペクトルの特色についても明らかにした。また、三重障壁(二重ドット)を持つ単電子素子において、準位間隔に共鳴した光子を入射した時の光子支援トンネル(PAT)伝導を解析し、この系のPAT信号は、単一量子ドットのそれに比べて一万倍も大きいことを明らかにした。
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