研究課題/領域番号 |
08247209
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 電気通信大学 |
研究代表者 |
名取 晃子 電気通信大学, 電気通信学部, 教授 (50143368)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1996年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | 量子ドット / 多電子基底状態 / 磁場効果 / 非制限ハートレーフォック法 |
研究概要 |
半導体ヘテロ界面に作成された異方的量子ドットの、界面垂直方向の磁場印加下の多電子基底状態を非制限ハートレーフォック法を用いて調べた。電子数がN【less than or equal】12の範囲で以下の研究を行なった。(1)量子ドットの微分容量の計算を行ない、古典電磁気学から計算される静電気容量との関係、電子数依存性と磁場依存性の解明。(2)磁場印加下の多電子束縛状態の計算を行ない、量子ドットの基底状態の磁場誘起転移と化学ポテンシャルの磁場依存 以下の結論が得られた。 1.異方的量子ドットの基底状態は、磁場強度増加に伴い多数の状態転移を起こす。転移は化学ポテンシャルの磁場依存性にカスプとして現れる。転移はランダウ量子化と交換相互作用とハートレー相互作用の競合により引き起こされ、スピンゼーマン効果の寄与は非常に小さい。 2.量子ドット集合の帯磁率は、常磁性項と反磁性項から成る。反磁性項は電子間相互作用により強められる。常磁性項は基底状態が有限のL_Zを持つ特定の電子数のみで現れる。 3.量子ドットの微分容量の磁場依存性には、基底状態転移に対応した顕著なカスプが現れる。 4.異方性が大きい場合の量子ドットの厚み効果は、スピンが完全分極していない磁場領域のみに現れる。スピンが完全分極した強磁場領域では、交換相互作用とハートレー項の厚さ変化が打ち消し合い、厚み効果は消失する。
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