研究課題/領域番号 |
08247211
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 北陸先端科学技術大学院大学 |
研究代表者 |
山田 省二 北陸先端科学技術大学院大学, 材料科学研究科, 助教授 (00262593)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1996年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | STM / 半導体細線 / 微細ホール / 電界印加加工法 / プラズマ発生装置 / クローン振動 / クローンブロケード / ダメ-ジ |
研究概要 |
1.2段階STM加工法による複合量子ドットの作製 SEM/STM複合装置を利用し、第一段階でWチップを用いて半導体細線内に微細ホールを作製し、第2段階で金属をコートしたチップを用いてその微細ホールに金属を埋込むこという手法を提案し、実際にInとNiを埋込むことができた。これらはいずれも電界印加加工法によるが、その構造的、電気的評価によれば、加工結果の再現性、制御性に関してはまだ十分ではなく、加工時の細線表面の汚染や用いるチップに関し、改善の余地があることがわかった。すなわち、加工行程が大気中と高真空中とを複数回移動するため、特にハイドロカーボン、水などよる汚染のため加工直前の表面状態が変化しやすい。また、加工物のサイズなどと密接に関連しているチップ先端形状のばらつき(現在曲率半径20nm以下)もまだ満足できる段階ではない。さらに、電子輸送(電気的)特性と関連する加工の際生じるダメ-ジについても検討を進める必要がある。このような諸課題の内初年度は、特に加工時の表面状態の安定化のために小型プラズマ発生装置をSTMヘッドに組み込むことを行なった。その結果現在検討中である。 2.複合量子ドットをもつ分割ゲート細線の基本的な輸送特性 現在までに、InとNiのドットをそれぞれ埋込んだ分割ゲート細線において、初歩的な段階ではあるが、クーロンブロケードに関連した現象を観測できつつある。例えば、Niドットをもつ細線でNiドットの近傍を通過する場合とその中を通過していると思われる場合のそれぞれで、異なったクローン振動及び、ブロケードの磁場依存性が観測できた(0.3K)。但ししばしば、加工の際のダメ-ジによってできたトラップに起因すると考えられるleakyな特性がbackgroundとして観測され、強磁性体(Ni)ドットの効果は明確ではない。素子構造の最適化、及びベースのヘテロ材料の選択等の点に関し、今後さらに検討を深める必要がある。
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