研究分担者 |
中埜 良昭 東京大学, 生産技術研究所, 助教授 (10212094)
村上 雅也 千葉大学, 工学部, 教授 (40009246)
岡田 恒男 芝浦工業大学, 工学部, 教授 (40013122)
佐土原 聡 横浜国立大学, 工学研究科, 助教授 (90178799)
室崎 益輝 神戸大学, 工学部, 教授 (90026261)
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配分額 *注記 |
75,200千円 (直接経費: 75,200千円)
1999年度: 13,000千円 (直接経費: 13,000千円)
1998年度: 20,700千円 (直接経費: 20,700千円)
1997年度: 18,500千円 (直接経費: 18,500千円)
1996年度: 23,000千円 (直接経費: 23,000千円)
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研究概要 |
本研究では,日本全国における,「マクロ」(自治体単位のスケールを最小単位とした相対的な都市の比較)というスケールに着目し,様々な都市が持っている地震災害影響要因となる特性のうち,都市によって大きく異っている特性を抽出した。抽出した地震災害影響要因となる特性によって,あらかじめマクロ視野に立って,地域的な特徴の分類を行った。地震災害に着目し,都市の地域的な特徴を明らかにすることは,マイクロゾーニング(都市内部での危険度評価等)やこれまで全国一律であった市町村地域防災計画の内容をより有効に生かすための枠組みとして役立つものと考えている。その中で、地震発生以前からの時間的なスケール(地震発生以前から復興に至る長期的な時間スケール)を考慮した評価軸を(「都市のダメージ」,「都市の被害軽減能力」,「アクセスビリティー・サポートビリテイー」,「都市の回復力」)設定し、4年間の期間をかけてそれぞれの評価軸に関する研究を進め、これら評価軸の総合的な分析も行った。「都市のダメージ」では、従来の被害想定で用いられてきた地盤・地形特性等の市街地特性、空地等の都市のミクロな視点に立った地域特性のみならず都市の地勢、活断層の分布状況等、のマクロな視点に立った地域特性をも考慮した、都市が潜在的に有している地震被災の危険性を、都市間で相対比較・分析し評価する手法を提案した。その他、建築物の地震被災危険度特性分布として、在来構法による木造建築の地域特性の要因に関する研究と、鉄筋コンクリート造建物の耐震性能に関する研究とを行った。また、地震による被害の抑制要因として考えられる、オープンスペースの地震災害危険度特性分析手法の検討とリモートセンシングを利用したオープンスペースの分析も行った。「都市の被害軽減能力」では、住民側から見た都市の潜在的被害軽減能力は,地震に対する住民の意識,地域コミュニティーから生じるものであると考え,都市居住者の防災意識と地域コミュニティーに関する調査研究を進めた。「アクセスビリテイー・サポートビリティー」では、直下型地震によって都市が被災したと想定し,短期間(約72時間を想定)のうちに被災都市が周辺都市から救援・救助を受けられる可能性,受け入れられる可能性を,海上交通と陸上交通から選択した都市に対して,「アクセスビリティー・サポートビリティー」として相対的に評価した。「都市の回復力」では、広域的に見た都市活動の震災による都市直下地震による長期的影響に関する研究に関する影響要因と地域特性評価を行い、復興段階における復興を遅らせる要因を阪神・淡路大震災の事例から調査し、他都市における影響を考察した。また、マクロゾーニングの活用の一例として,都市内部(横浜市)での地震危険度・地域特性評価を行い、ミクロな視野での地震危険度評価手法を検討した。さらに、研究成果を総合分析として、集約し、マクロゾーニングによる総合評価のための特性分析を行った。最後に、本研究のまとめとして,研究成果と研究成果の活用及びに本研究内容で成し遂げたこと,成し遂げることができなかった事等,本研究を進めて行く上での問題点等を明らかにし,本研究が今後の研究につながるような方向性を示した。
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