研究課題/領域番号 |
08248212
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
壁谷澤 寿海 東京大学, 地震研究所, 教授 (00134479)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1996年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | 建築構造 / 鉄筋コンクリート構造 / 耐震設計 / 限界状態設計法 / エネルギー入力 / 地震応答 / 応答スペクトル / 瞬間エネルギー |
研究概要 |
耐震設計における限界状態を最大応答変形で定義するためには、地震動、構造物のパラメータと最大応答変形の関係を一般的にあきらかにする必要がある。本研究では、塑性応答変形に有効な地震動のパラメータとしてエネルギー入力速度スペクトルを定義し、最大応答値を推定する方法を示した。従来、構造物の耐震性能を評価するための地震動の強さをあらわす尺度は、構造物が線形に近い領域では加速度応答スペクトル、塑性化の進行する領域では総エネルギー入力が有効であると考えられてきた。しかし、直下型地震の地震動に対する応答では、総エネルギー入力が同じ場合でも、一般に短い継続時間に大量のエネルギーが入力される性質があり、継続時間の比較的長い地震動から得られる地震動レベルと最大応答変形の関係は成立しない。本研究では、震源近傍での地震動による構造物の最大応答変形の性質を時間あたりのエネルギー入力量(エネルギー入力速度、瞬間エネルギー)に着目して明らかにした。弾塑性1自由度系の最大応答変形と地震動のパラメータとの関係をエネルギー入力の性質に基づいて理論的に検討し、塑性応答変形を支配する地震動パラメータを整理して、その中でエネルギー入力速度のもつ定量的な意味を理論的に明らかにした。直下型地震動の例として兵庫県南部地震による強震地域の地震動のエネルギー入力速度と塑性応答の関係を検討した。また、加速度応答スペクトル、エネルギースペクトル(速度応答スペクトル)、主要動継続時間とエネルギー入力速度スペクトルの相互関係、減衰の影響についても検討し、瞬間エネルギースペクトルが総エネルギー入力と継続時間によって大略表現できることを示した。以上により、構造物の弾塑性応答変位は、総エネルギー入力と継続時間、構造物のエネルギー吸収能力によって定式化することが可能になる。
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