研究分担者 |
山下 典彦 京都大学, 工学研究科, 助手 (90283621)
吉田 信之 神戸大学, 工学部, 助教授 (20166961)
木村 亮 京都大学, 工学研究科, 助教授 (30177927)
建山 和由 京都大学, 工学研究科, 助教授 (10179731)
足立 紀尚 京都大学, 工学研究科, 教授 (30026108)
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研究概要 |
1.一般に,地下構造物は地震に対して強いといわれている.実際,これまでの大きな地震でトンネルなどの地下構造物の大きな被害報告はほとんどない.しかし「中途半端な被り」の地下構造物についてがどのように考えればよいのだろうか.そのためにはまず,地中構造物に作用する動土圧について検討をしなければならない.そこでここでは,鉛直震動が及ばす土圧の基礎研究として落とし戸実験と数値解析を用いながら検討を行った. 2.これまで得られた結論は以下の通り.被り高さが小さい場合,受働土圧はほとんど被り土圧に等しい.もっとも簡単に動的効果を含めるため,(1)鉛直震度をκυとして,式(1)の値を(1+κυ)倍し,(2)内部摩擦角φを大きくする,ことが考えられる.しかし,たとえκυを1にしてもせいぜい2倍の大きさになるだけである.φを大きくすると土圧は増大するが,実験によれば動的載荷によってもφはせいぜい10%程度上昇するだけで,土圧をそれほど大きくするものではない.たとえば神戸高速鉄道の大開駅を線路横断方向に見た場合,(無次元化された)被り高さは1以下である.したがって,鉛直動による受働土圧だけでは被害を説明することはできない 3.今後の課題を記す.鉛直土圧は中柱の圧縮強度からはるかに小さい値である.ただし,水平動の影響で柱や外壁がせん断,曲げ破壊を起こしたのちにおいて,この鉛直荷重は重大な被害を引き起こす要因となりえる.その定量的把握を行いたい.
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