研究課題/領域番号 |
08249107
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | (財)山形県テクノポリス財団(生物ラジカル研究所) |
研究代表者 |
吉村 哲彦 (財)山形県テクノポリス財団, 生物ラジカル研究所・化学第一研究部, 部長 (70271517)
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研究分担者 |
右田 たい子 山口大学, 医療技術短期大学部, 助教授 (90159161)
藤井 敏司 (財)山形県テクノポリス財団, 生物ラジカル研究所・化学第一研究部, 研究員 (80271518)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
1996年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
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キーワード | 一酸化窒素 / 生体内一酸化窒素 / 捕捉 / 鉄錯体 / 電子スピン共鳴 / 画像化 |
研究概要 |
免疫系で産生される内因性抗菌因子NOの多様な生理的作用を評価するためには、細胞・組織・器官におけるNOの濃度と分布に関する知見が必要である。しかし、生体内NOの濃度は低く、寿命も短いので、内因性のNOの分析は極めて難しい。報告者らはNO分析試薬の開発に向けて、NOの2価の鉄イオンに対する高親和性を利用する立場から、NOとの結合により安定なNO錯体を生成する鉄錯体を探索した。その結果、ジチオカルボキシサルコシン(DTCS)を配位子とする鉄錯体が室温および低温で明瞭な強い電子スピン共鳴(EPR)シグナルを示し、生体内NOトラップ試薬としての優れた性質を持っていることが明らかとなった。報告者の属する研究所で開発されたin vivo EPR画像化システムを用いて、マウスの体の中でつくられたNOラジカルを上記トラップ試薬で捕捉して、体の中のラジカルの分布を画像化する試みを行った。マウスの腹部にリポ多糖を投与後に、NOトラップ試薬を投与して画像取得のための測定を行い、腹部の肝臓に相当する部位で画像化に成功した。体の中でつくられた生物ラジカルのin vivoでの画像化としては本例が世界初である。生体に対する毒性が低く、臓器特異性等の付加価値を持った高性能スピントラップ試薬の開発とイメージングに相応しい対象の発見に更に努め、内因性のNOラジカルの病理的・生理的作用の解明に貢献したいと考えている。また、NOと鉄-イオウ蛋白質との相互作用を明らかにするために、システイン含有ペプチドの鉄錯体とNOとの反応をEPRスペクトルでモニターした。鉄-イオウ中心の配位環境はペプチドの構造に依存することが、EPRスペクトルの解析から示唆された。鉄-イオウ蛋白質のNOによる阻害機構の詳細を更に明らかにしたい。
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