研究課題/領域番号 |
08249219
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
小林 達彦 京都大学, 農学部, 講師 (70221976)
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研究分担者 |
片岡 道彦 京都大学, 農学部, 助手 (90252494)
清水 昌 京都大学, 農学部, 教授 (70093250)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
1996年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
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キーワード | コバルト / ニトリルヒドラターゼ / 輸送タンパク質 / 遺伝子 / アミダーゼ / 発現 |
研究概要 |
放射菌Rhodococcus rhodochrous J1の、(ニトリルをアミドへ変換する)2種類のニトリルヒドラターゼ(H‐NHaseとL‐NHase)のコバルト(Co)とアミドによる誘導発現調節機構の解析を行った結果、H‐NHase遺伝子(nhhBA)発現については、その上流域が必須であり、、本領域には、大腸菌由来の調節遺伝子marRやhpcRと相同性を示す遺伝子(nhhD)と、Pseudomonas aeruginosaのアミダーゼの負の調節遺伝子であるamiCと相同性を示す遺伝子(nhhC)が存在し、これらの遺伝子は正に働く調節因子であった。さらに、本領域とともにnhhBAを宿主R.rhodochrous ATCC12674で発現させた場合、全可溶性タンパク質の50%以上を占める程までH‐NHaseは大量に生成した。一方、L‐NHase遺伝子(nhlBA)発現については、それより上流部分を少なくとも約3.5kb含むクローンは全て(誘導物質である)アミドによりL‐NHaseを誘導生成するのに対し、上流領域をさらに切り縮めたクローンはアミドの有無に関わらずL‐NHaseが構成的に発現した。アミドによる誘導発現に関わる上流域には、二つのORF(nhlDとnhlC)が存在し、nhlCは正の、nhlDは負の調節遺伝子であった。また、nhlDが水銀、カドミウム、ひ素などの重金属を解毒あるいは細胞外へ排出する機能を持つタンパク質をコードする遺伝子の発現調節に関わるタンパク質と相同性を示したのに対し、nhlCはnhhCと相同性を示した。 また、nhlBAと(ニトリルから生成した)アミドを酸へ変換するアミダーゼ遺伝子間に、(ニッケル輸送タンパク質と相同性を示す)ORF(nhlF)を発見した。nhlBAとnhlFを導入したRhodococcus形質転換体は(nhlFを含まずnhlBAだけを導入した)コントロールと比較して、培地中のCoが10^<-5>〜10^<-3>%(w/v)の濃度では、顕著なNHase活性を示したが、0.01%(w/v)の濃度では、ほとんど活性の差を与えなかった。さらに、nhlFを含有したRhodococcus形質転換体は^<57>Coを取り込む活性を示したことより、Coを補欠金属として含有するNHaseにとって、NhlFはCoの輸送機構において重要な役割を担っていることが示唆された。Co輸送タンパク質としては、これが初めての報告である。
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