研究課題/領域番号 |
08250217
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 奈良先端科学技術大学院大学 |
研究代表者 |
古久保 哲朗 奈良先端科学技術大学院大学, バイオサイエンス研究科, 助教授 (10271587)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
1996年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
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キーワード | 転写因子 / 基本転写因子 / 転写制御 / 転写 / 転写調節機構 / TFIID / TAF |
研究概要 |
基本転写因子TFIIDは転写開始前複合体のアッセンブリーに際して核となる分子であり、転写調節因子から受け取った信号を転写量の増減へ変換するうえで中心的な役割を果たす。本研究では転写調節の基本的分子機構を理解するため、TFIIDサブユニットの機能について解析し、いくつかの新しい知見を得た。 出芽酵母TFIIDサブユニットp145のN端に存在する6-96番のアミノ酸から成る領域(yp145N)は、単独でTBPに強固に結合しその機能を阻害する。我々はこの活性領域が二個の小サブドメイン(N端側から順にyI,yIIと呼ぶ)に分割できることを示すとともに、ショウジョウバエとの比較から一次構造上種間で保存されているのはサブドメインII(yII)のみであることを明らかにした。さらにそれぞれのサブドメインの機能を理解するための第一歩として、アラニンスキャンミューテーション等によりTBPとの相互作用部位を正確に同定した。またyp145NをGAL4のDNA結合ドメインに融合すると酵母細胞内で強力な転写活性化因子として機能し、GAL4VP16と同様その過剰発現は生育に対して毒性を示すことを見い出した。予備的な実験によりこの活性はN端全体(yI+yII)よりもむしろyIとTBPの相互作用に依存していること、またいくつかのアッセイ系においてVP16の転写活性化ドメインがyIの機能を代替し得ることが示唆された。以上の結果は少なくとも一部の転写活性化は当該TAFのN端を介して行なわれていることを示唆する。
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