研究課題/領域番号 |
08250218
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 奈良先端科学技術大学院大学 |
研究代表者 |
白川 昌宏 奈良先端科学技術大学院大学, バイオサイエンス研究科, 助教授 (00202119)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1996年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
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キーワード | 遺伝子転写 / 転写メディエーター / コアクチベータ- / 立体構造 / NMR |
研究概要 |
本研究の目的はカイコの発生に関わる制御するfushi tarazu遺伝子発現を制御するMBF1とFTZ-F1、ヒトの転写コアクチベータ-であるPC4などのDNA結合性、非結合性転写因子の溶液中での立体構造を決定し、遺伝子転写における転写因子間の蛋白質-蛋白質相互作用、転写因子の制御配列DNAの分子認識機構を立体構造的に明らかにすることである。手法としては核磁気共鳴法(NMR)を用いる 遺伝研・上田均博士らとの共同研究として、昆虫の脱皮・変態に関わる転写因子FTZ-F1及び、そのメディエーターであるMBF1の立体構造解析を行った。MBF1のプロテアーゼによる限定分解により67-180の113残基からなるドメイン(MBF1コア)が溶液中で安定な立体構造を保持する構造ドメインを形成すること、またそのドメインがTBPと結合する活性を有することを明らかにした。多重共鳴多次元NMR法によりほぼ全ての原子核シグナルの帰属を終了した。得られた帰属を基に原子核間距離情報、角度情報を収集し、化学シフト値の情報と共に2次構造決定を行ったところ4つのヘリックスを持つことが判った。さらに溶液中での立体構造計算を行い、予備的な立体構造を得た。その結果、塩基性残基が多く見られるクレフトを持つヘリックスバンドル構造を持つことなどが示された。 阪大・細胞生体工学センター大熊博士と共同研究を進めているヒトPC4についてもトリプシンによる限定分解とNMRスペクトル測定の結果、全長127アミノ酸残基中C末端の74残基の部分が安定な立体構造を溶液中で形成することが判明した。当該部分は少なくとも一本鎖DNAとの結合活性が有ることが知られている。これと他の転写因子との結合活性を調べると共に立体構造解析に向けてのNMR測定を進めている。
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