研究課題/領域番号 |
08252203
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
岩倉 洋一郎 東京大学, 医科学研究所, 教授 (10089120)
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研究分担者 |
田川 陽一 東京大学, 医科学研究所, 教務職員 (70262079)
浅野 雅秀 東京大学, 医科学研究所, 助手 (50251450)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
1996年度: 3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
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キーワード | 標的遺伝子組み換え / ノックアウトマウス / サイトカイン / インターロイキン1 / インターフェロンγ / エンドトキシンショック / 炎症性発熱 / ConA誘導肝炎 |
研究概要 |
1.インターロイキン-1(IL-1)遺伝子ノックアウト(KO)マウスの作製とその解析 昨年度までにIL-1αとIL-1β遺伝子それぞれ単独及びダブルKOマウスを作製しており、今年度はIL-1受容体アンタゴニスト(IL-1ra)遺伝子KOマウスの作製に成功し、IL-1関連遺伝子はすべて破壊した。これらのマウスを用いて、まずLPSによるエンドトキシンショックに対する抵抗性を調べた。IL-1raKOマウスは高感受性を示したが、予想に反してIL-1α/βダブルKOマウスの感受性は野生型と差がなかった。次にテレビン油投与による発熱に対しては、IL-1αKOマウスは野性型と同様に発熱するに対して、IL-1βKOマウスは発熱せず、逆にIL-1raKOマウスは野生型以上に発熱することがわかり、IL-1βが炎症性の発熱を引き起こしていることが明らかとなった。また感染防御では、リステリア菌の感染に対して、IL-1α/βダブルKOマウスは感受性が高いことも明らかとなった。 2.インターフェロン-γ(IFN-γ)のConA誘導肝炎における役割 ConA誘導肝炎は、T細胞から分泌されるサイトカインによって引き起こされ、ヒトのウイルス性肝炎のモデルとして重要である。昨年度にIFN-γKOマウスやlprマウスを用いて、この系ではIFN-γがFasシステムを活性化することにより肝実質細胞のアポトーシスを引き起こしていることを明らかにしたが、今年度はTNF-αKOマウスやiNOSの阻害剤を用いて、更に発症の機構を解析した。IFN-γKOマウスは発症が抑制されたのに対して、TNF-αKOマウスやiNOSの阻害剤であるL-NMMA投与マウスでは発症が抑制されず、これらは発症に関与しないことがわかった。また、ConA投与後に誘導されてくるFasとICEがIFN-γKOマウスでは誘導されないことを見いだし、IFN-γによるEasとICEの発現誘導がFasシステムの感受性を高めている可能性が示唆された。
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