研究課題/領域番号 |
08252207
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
諸橋 憲一郎 九州大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (30183114)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
1996年度: 3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
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キーワード | ステロイドホルモン / 副腎皮質 / 精巣 / 卵巣 / Ad4BP / SF-1 / DAX-1 |
研究概要 |
生殖腺、副腎の分化の機構を解明する目的で以下の研究を行った。 (1)Ad4BP/SF-1遺伝子第一イントロンを調べた結果、第一イントロン内にアミノ酸をコードしない複数の第一エクソンの存在が明かになった。これらのエクソンのうちIaとIgエクソンは生殖腺と副腎皮質に発現が認められたが、Ioエクソンの発現はラット卵巣で認められるもののマウス卵巣では認められず、その発現には種差が認められた。Ioエクソン領域の塩基配列を調べたところ、マウスIoエクソンのスプライシングサイトの配列に異常が認められたことから、マウスではIoの使用が不能になっていることが明かになった。 (2)抗Ad4BP/SF-1抗体を用い、Ad4BP/SF-1の発現部位を胎生組織で調べたところ、Ad4BP/SF-1の発現開始直後には、背側大動脈から腹腔上皮にかけての一群の細胞が陽性であることが分かった。後にこの細胞集団は二群に分離し、一方は副腎皮質へ、他方は生殖腺へ分化する。すなわちこの結果は、副腎皮質と生殖腺は同一の細胞集団より派生することを示すものであった。 (3)Ad4BP/SF-1と同様に生殖腺と副腎皮質の分化に不可欠な因子として単離されたDAX-1に対する抗体を作成し、その発現分布を調べた。DAX-1はAd4BP/SF-1と同様に性腺と副腎に発現するが、組織内における分布に顕著な違いがありDAX-1の機能を考える上で貴重な情報である。また胎生期の未分化生殖腺にもその発現が認められるが、やはりAd4BP/SF-1との間に発現領域で顕著な差が認められる。これらの結果をもとに生殖腺と副腎の分化における役割の検討を行っている。
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