研究課題/領域番号 |
08254203
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
三木 清史 名古屋大学, 生物分子応答研究センター, 助手 (30212228)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1996年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
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キーワード | 中胚葉 / 遺伝子発現制御 / 細胞分化 / トランスジェニックマウス / シスエレメント |
研究概要 |
マウスBrachyury(T)遺伝子は中胚葉誘導に伴って原条の細胞で発現した後に脊索と尾芽に発現が限定される遺伝子である。申請者らは中胚葉誘導を遺伝子発現のレベルで理解するために、T遺伝子を中胚葉細胞のマーカー遺伝子として捉えて解析してきた。本研究ではT遺伝子の発現制御をin vivoで解析するために、5'上流をLacZ遺伝子に連結したプラスミドを導入したトランスジェニックマウスを作製した。その結果、-351までの領域は原条におけるLacZ遺伝子の発現を組織特異的に制御できることがわかった。また、尾芽形成期においても尾芽で特異的な発現を誘導できることがわかった。しかし、中胚葉組織である脊索とその前駆組織であるノードでは発現を誘導する活性が検出されなかった。この結果は、脊索とそれ以外の中胚葉細胞ではT遺伝子の発現が個別の機構で制御されていることを示している。さらに-351の上流配列の機能をトランスジェニックマウスで解析すると、-987から-585の領域はLacZ遺伝子の発現を増強することがわかった。この領域は組織特異的な発現に影響を与えることなく、-351までの領域と共存することでT遺伝子の発現を促進することが示唆された。細胞分化に伴ってT遺伝子を発現する胎児性癌細胞P19を用いた解析によると、-351までの領域が発現誘導に必要十分であり、そこには少なくとも2つのシスエレメントの存在が認められた。下流側のエレメントAには細胞分化に伴って結合量が増加するタンパク質が、また上流側のエレメントBには未分化細胞で特異的に結合するタンパク質が検出された。これらの結合から脊索と尾芽におけるT遺伝子の発現は、少なくとも2つのエレメントとそれぞれに結合するタンパク質によって制御されていることが示唆された。
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