研究課題/領域番号 |
08254208
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
東 雄二郎 大阪大学, 細胞生体工学センター, 助教授 (30181069)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1996年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
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キーワード | Zincfingerタンパク / ホメオドメイン / 転写制御因子 / δEF1 / zfh / ジーンターゲティング / 骨形成 / 四肢形成 |
研究概要 |
δEF1はホメオドメインと二つのZn-fingerクラスターを同時に有する転写制御因子である。δEF1はDrosophilaのzfh1の脊椎動物における相同遺伝子と思われている。マウス胚発生過程においてδEF1は神経外胚葉や中胚葉由来の組織で発現がみられるが特に肢芽において強い発現が観察された。そこで四肢形成過程におけるδEF1の機能を明らかにするために第一にステージを追ってδEF1の発現を調べた。δEF1mRNAの発現は予定胚芽領域の側板中胚葉が肥大し始める時期からみられ、肢芽の進展に伴い後方部にその発現の限局が観察された。このような限局は四肢で発現するHoxDクラスターの遺伝子のものと類似していた。また四肢骨格のパターンが形成された後のステージにおいては手根骨を囲む間充織細胞や長骨の軟骨被膜で発現がみられた。第二にジーンターゲティング法により作製したδEF1変異マウス(Null-LacZ)において四肢形成がどのような影響を受けているか調べた。δEF1(Null-LacZ)変異体において手根骨及び足根骨の一部融合、長骨の短化及び一部湾曲、関節の形成不全などの異常が観察され、δEF1は四肢骨格形成に機能していることが明らかになった。また特にδEF1(Null-LacZ)変異体でみられた手根骨の表現型は複数のHox遺伝子(特にDクラスター)変異体において観察されたものと高い類似性がみられた。δEF1(Null-LacZ)変異体と異なり、これらのHox変異体において足根骨の表現型はほとんどみられないことからHoxとδEF1の転写制御因子としての機能は異なっていることが考えられ、δEF1遺伝子とHox遺伝子の間に何らかの相互作用が存在する可能性が示唆された。
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