研究課題/領域番号 |
08254210
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 奈良先端科学技術大学院大学 |
研究代表者 |
梅園 和彦 奈良先端科学技術大学院大学, バイオサイエンス研究科, 助教授 (50183752)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1996年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | 神経発生 / 転写因子 / 核内レセプター / 転写制御 |
研究概要 |
Tlxはニワトリ初期胚前脳部で特異的に発現する核内レセプター型の転写因子であり、ショウジョウバエtaillessに相同である。taillessも脳神経前駆体での発現が認められ、脳神経の発生分化を制御する遺伝プログラムにTlx/taillessの関与する進化的に保存された側面のあることが予想される。この可能性について、Tlxの動物種間における比較解析を行い、発現制御メカニズム、遺伝子破壊マウスの作出を行った。 ヒト(部分配列)、ゼブラフィッシュ(完全長)Tlx cDNAを取得し、Tlxのアミノ酸一次配列が、魚類から霊長類まできわめて高い(>90%)類似性を示すことを見いだした。ゼブラフィッシュ胚でもTlxは神経管の前端部で発現を開始し、引き続き、終脳、間脳、眼胞、および中脳で発現するようになる。ヒトTlxも新生児脳で発現しており、中枢神経の発生と同調していることが予測された。 Tlxの発現制御機構についてマウスで解析を進め、基本プロモーターを開始コドンの1.4kb上流に同定した。また、神経発生における機能を個体レベルで解析するために、Tlxを欠損したマウスを作成した。Tlx遺伝子中央部の約10kbをβガラクトシダーゼ遺伝子で置換したES細胞を単離し、キメラマウスを経てTlx遺伝子を欠失したヘテロ接合体を得た。βガラクトシダーゼ活性を有する細胞集団の分布はTlx遺伝子のin situ hybridizationパターンと一致し、これらの細胞がnestin陽性の神経前駆体細胞であることを神経上皮細胞の初代培養によって確認した。ヘテロ接合体では頭部形態の異常は見られなかったため、ホモ接合体を得ることを試みたところ、きわめて早期に致死となることが判明した。この原因についてはさらに解析を進めているが、神経の発生以前に致死となるため、今後他のアプローチの導入についても検討する。
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