研究課題/領域番号 |
08254226
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 国立精神・神経センター |
研究代表者 |
鍋島 陽一 国立精神・神経センター, 神経研究所・遺伝子工学, 部長 (60108024)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
1996年度: 2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
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キーワード | MyoDファミリー / ラミニンα2 / 筋発生 / 遺伝子ノックアウト / 基底膜 / 神経細胞の移動 / 個体老化 / 筋再生 |
研究概要 |
1)筋細胞は細胞を取り巻くシグナルに応答して増殖を続けるが、培地により増殖因子を除くと分化を開始する。その際に細胞は筋管細胞へと分化する細胞と分化せずに筋芽細胞のままで留まる″reserve cell″の2つのサブポピュレーションに分れる。この仕分けはMyoDの発現が経続するか、発現が停止するかによって制御されている。おそらく、細胞分化の過程そのものの中に増殖能を保持した細胞を残す仕組みをもっていることが推定される。仕分けのシグナルは何か、どのような機構によってMyoDの発現が制御されているのかは今後の課題である。Reserve Cellのような性質の細胞として筋再生の際に分裂増殖し、ついで分化して筋管細胞となる筋衛星細胞が知られており、この研究が筋再生を保証する細胞がどのように用意され、どのようなトリガーによって再生が開始するのかを解析することに結び付くことが期待される。 2)先天性筋ジストロフィーの原因遺伝子の一つとして報告されているラミニンa2遺伝子ノックアウトによりモデルマウスを作成し、その異常を解析した。ラミニンa2分子が筋細胞、神経細胞の基底膜の形成に必須であること、また、基底膜の形成が筋細胞の成熟、神経細胞の移動に重要な役割を担っていることが示された。 3)トランスジェニックマウスを作成する過程で挿入突然変異によって早期老化症状を呈するトランスジェニックマウス系統を樹立した。挿入部位に隣接する領域より1型膜蛋白質をコードする原因遺伝子を同定した。今回得られた挿入突然変異マウスは世界で始めて得られた顕著な早期老化を示すマウスであり、加齢にともなって発症する多くの疾患の成り立ちを解析するための重要なモデルマウスとなると期待される。同定された原因遺伝子の機能についてはレセプター、リガンドなど、幾つかの可能性が考えられるが今後の課題である。
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