研究課題/領域番号 |
08255108
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 同志社大学 |
研究代表者 |
郡嶌 孝 同志社大学, 経済学部, 教授 (70066306)
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研究分担者 |
小椋 和子 東京都立大学, 理学部, 助教授 (20087117)
盛岡 通 大阪大学, 工学部, 教授 (30029350)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
1996年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
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キーワード | 環境指標 / 環境計画 / エネルギー消費 / 水利用 / リサイクル / コペナント / 社会的手法 / 経済的手法 |
研究概要 |
日本とオランダの環境計画を中心にして国レベルの温暖化防止計画、水のマスタープラン、都市エネルギー計画、廃棄物処理・リサイクル計画をもとにシステムの枠組み、指標を活用して、循環効果の評価を試みるとともに地球本位型社会への転換をはかるのに重要な要因を抽出する手法の開発とフレームワーク・評価技法の開発をした。その上で、地球本位型社会への転換をはかるための環境原則としてPrecautionary Principle、Polluter Pays Principle、および、Cooperation Principleの果たす役割の検討。さらに、転換をはかるために重要な役割をはたす要因としてSocialization、Actorization、Dialogueization、および、Internationalizationといった要因を抽出できた。これらは、いずれも社会的手法に属するものである。社会化とは環境手法が社会によって指示されなければならないことを意味し、とりわけ、環境政策目的の社会化のプロセス設計が国民の指示をえるのに必要なこと、合意形成型コミュニティの形成が環境政策をより効果あるものとして成果をあげるために必要なことを示すことができた。主体化とは、単にそれぞれの政策主体と政策被主体との関係を築くのではなく、ボランタリーアプローチとともに政策の社会的マトリックスやネットワークを形成することが必要なことを示すことができた。対話化とは、ひとつにはPrecautionary Principleに関連して科学的知見が不確実な状況でも予見的政策をすすめるために科学者と政策形成者との対話をすすめると同時に社会的対話をすすめるPersuasive communication手法の開発の必要性を指摘できた。国際化とは、国内的合意をとるために積極的に政策提案を国際的に定期することにより国際的にファーストムーバーとして主導権をとりながら予防志向的に国内的合意をとりつけるものである。 このように、環境計画およびその目的ないし目標を実現させるためのそれぞれの科学的手法はそれ自体合意を形成するための基礎的知見を共有化させるものであり、合意の形成の基礎史料である。これを実効ある行動へと結びつけるには、規制手法や経済手法による「むちとにんじん」による誘導だけではなく、Socialization、Actorization、Dialogueization、および、Internationalizationといった社会的手法の開発とその社会的マトリックス化が必要となる。このような社会的手法の開発をすすめることによって、規制的手法、経済手法、および、社会的手法のベストミックスが可能となる。
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