研究課題/領域番号 |
08255225
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
桑原 正章 京都大学, 木質科学研究所, 教授 (40035978)
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研究分担者 |
田中 文男 京都大学, 木質科学研究所, 講師 (10109069)
渡辺 隆司 京都大学, 木質科学研究所, 助教授 (80201200)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1996年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
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キーワード | バイオレメディエーション / 担子菌 / リグニン分解酵素 / 農薬 / 殺虫剤 / 環境汚染物質 / 色素 / ペルオキシダーゼ |
研究概要 |
本研究は、農薬をはじめとする各種の環境汚染化合物を、微生物の持つ分解作用を利用して土壌などの環境から積極的に除去することによって環境を修復するための技術、すなわち、バイオレメディエーションの技術を開発することを目的としている。この目的に利用し得る微生物として、環境に対する影響を考慮し、人間に対して無害が長期間にわたって確認されている食用担子菌(きのこ)を対象とした。 Pleurotus ostreatus(ヒラタケ)やLentinus edodes(シイタケ)の多数の菌株から複素環色素の一種であるAzur Bおよび塩素化フェノール性化合物である4‐クロロレゾルシノールを分解する能力の高い菌株をスクリーニングした。さらに、スクリーニングされた菌株から塩素系農薬の一種であるベンゼンヘキサクロリド(BHC)の異性体の一つのγ‐BHC(リンデン)に耐性があり、かつ、分解能のある菌株を選択した。上記の各物質の分解能の高いP.ostreatus O‐48は木粉固体培養においてもAzurBを分解した。また、液体培養条件下においては、4‐クロロレゾルシノールは急速に分解されるが、分解反応中間体の蓄積は微量であった。一方、酵素的な芳香族化合物分解を行うため、Bjerkandera adusta(ヤケイロタケ)の培養液から、リグニン分解酵素(リグニンペルオキシダーゼ(Lip)およびマンガンペルオキシダーゼ(MnP))を分離・精製した。これらの酵素は各種の有機溶媒中でもフェノール性化合物の酸化反応を触媒することを認めた。さらに、アセチル化、ベンジル化、PEG修飾された本酵素は、反応条件を選ぶことにより、非修飾の酵素よりも高い活性を与えた。
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