研究課題/領域番号 |
08255234
|
研究種目 |
重点領域研究
|
配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
加藤 純一 広島大学, 工学部, 助教授 (90231258)
|
研究期間 (年度) |
1996
|
研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
|
配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1996年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
|
キーワード | 亜リン酸 / Klebsiella aerogenes / 不活性リン化合物 / バイオコンバージョン / リン資源 |
研究概要 |
不活性リン化合物である亜リン酸を唯一のリン源とした培地を用いて、亜リン酸を資化する微生物のスクリーニングを行った。土壌サンプル、活性汚泥、研究室保存菌株をスクリーニングしたところ、約3800コロニーの亜リン酸資化性菌が得られた。そのうち、Klebsiella aerogenes ATCC9621が最も高い資化性を示すことが判明した。K. aerogenesは亜リン酸のみならず、エチルホスフォン酸・メチルホスフォン酸などの炭素原子とリン原子が直接結合した構造をもつ不活性リン化合物(CP化合物)をも資化することがわかった。スクリーニングで得られたK. aerogenesの不活性リン化合物資化に関与する遺伝子を取得するために、大腸菌の亜リン酸資化に関与するphn遺伝子群をプローブとしてクローニングを行い、それに成功した。また、K. aerogenesのphn遺伝子群を破壊した変異株を作成したところ、その変異株は亜リン酸やCP化合物を資化できなくなったことから、クローニングされたphn遺伝子群が不活性リン化合物の資化に確かに関与していることが判明した。次にK. aerogenesの亜リン酸資化能を向上させるために、phn遺伝子群をプラスミドに載せてK. aerogenesに導入し、遺伝子の増幅をはかった。しかし、phn遺伝子増幅株は亜リン酸を唯一のリン源とした培地での成育が親株よりもよくなったものの、乾燥菌体重量あたりのリン蓄積量は親株と同程度であり、phn遺伝子群を増幅しただけでは亜リン酸の取り込み・蓄積が向上するわけではないことがわかった。おそらく、細胞内にリンを蓄積する機構、たとえばポリリン酸合成・蓄積機能とリンクさせれば、亜リン酸の取り込み蓄積能が向上するのではないかと考えられる。
|