研究課題/領域番号 |
08255235
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
太田 欽幸 広島大学, 生物生産学部, 教授 (10034464)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1996年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
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キーワード | 悪臭 / 廃棄物 / 廃バイオマス / 無臭化菌 / 悪臭公害 / コンポスト |
研究概要 |
人口が増加し、様々な人間活動が盛んになるに伴い、厨芥、余剰汚泥、家畜排泄物などの悪臭性の天然有機廃棄物の量が年々増加し、我が国だけでも年間数億トンに達している。これらの廃棄物を自然の物質循環系の中で処理し、無公害化すると共に資源化することを目的としている。通常、数ヶ月〜半年をかけてコンポスト化している鶏ふんを試料として、無臭化微生物群を用いてより簡単に短期間に無公害化し、資源化することを今年度の目的とした。濃厚試料で飼育している産卵鶏のふん5kgに無臭化種菌1kgとモミガラを0.9kg添加してよく混合した。これを自然通気を可能にした無臭化処理槽に自然堆積した。この混合物の比体積は約2.0l/kgであった。堆積直後から品温上昇し始め、堆積24時間で、最高の70°Cに達し、その後急激に低下し3〜4日間で室温の23°C前後となり一定となった。pHは温度の上昇と共に高くなり、堆積16時間で7.6から9.2になり、その後は変化しなかった。水分は、6日間で全体の50%が減少した。官能的悪臭度は約30時間で0となり、鶏ふん特有臭は完全に無くなった。易分解性のアミノ酸は3〜4日で、腐植の度合いを示すフミン酸は2日間で最大の2.8mg/gとなり、その後、両者共に一定となった、未処理物中に多量に含まれていた悪臭性の揮発性脂肪酸や硫黄化合物が、無臭化物中にはほとんど見い出せなかった。小松菜を用いた発芽試験では、未処理物では、100%障害があったが、処理物では2〜3間でその障害が完全に消失した。堆積物を各時間毎に採取し、その水抽出をSephadex G-15を用いてゲルろ過し、280nmにおける吸光度を測定した。堆積2日間でそのパターンは一定となり、市販の完熟堆肥と同等となった。この菌群と方法を用いれば、より短期間に鶏ふんはコンポスト化できることが分かった。単離した無臭化細菌は、Acyl CoA Synthetaseの活性が高く、Hexokinaseの活性が低いことが分かった。
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