研究課題/領域番号 |
08255240
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 大分大学 |
研究代表者 |
羽野 忠 大分大学, 工学部, 教授 (80038067)
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研究分担者 |
高梨 啓和 大分大学, 工学部, 助手 (40274740)
平田 誠 大分大学, 工学部, 講師 (20264327)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1996年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | 脱室 / 硫黄酸化細菌 / 農耕排水 / 独立栄養細菌 / 非特定汚染源 / 水環境 |
研究概要 |
現在用いられている生物的窒素除去技術は工場排水など特定汚染源からの排水には適しているものの、農耕排水などの非特定汚染源に適した除去技術はまだ開発されていない。そこで本研究では、簡潔で省エネ型、かつ管理不要で放置可能な窒素除去装置の開発を目指し、独立栄養硫黄細菌を用いた脱窒工程について検討を行った。 1. 硫黄酸化細菌の硫黄摂取機構および脱窒速度の解析 硫黄粒子の大きさを変えて脱窒速度に与える影響を検討した結果、速度は粒径の逆数に比例し、粒子表面で硫黄の溶解・摂取が行われていると推察された。また、硫黄粒子と硫黄酸化細菌を半透膜で分離した場合、速度は著しく低下したことから、菌体と硫黄との直接接触が溶解に必要であることが分かった。脱窒速度の温度依存性は大きく、開放系での処理操作において寒冷期の速度低下が課題と思われた。排水中の溶存酸素は脱窒を妨害し、亜硝酸態窒素の生成を促進した。 2. 硫黄・石灰石充填層での連続脱窒操作 脱窒に伴うアルカリ度の低下およびその結果生ずる速度低下を避けるため、石灰石粒子と硫黄粒子を混合した充填カラムによって長期間の連続脱窒操作を行った。粒径には最適値があり、これ以下では層の目詰まりを早く生じ、異常では表面積の検証によって速度が低下した。充填層内では窒素濃度が直線的に減少し、排水負荷に応じた層長を確保することによって安定した窒素除去が可能であった。水中の溶存酸素は層入り口付近で硫黄の好気酸化に消費されるため、以後は嫌気的脱窒が良好に進行した。 3. 農耕排水に対する本システムの適用 農耕排水として窒素負荷が大きいのは畑や果樹園からの排水であり、圃場整備された畑での排水を集めて本システムで処理するための設計の試算を行った。処理に伴う硫黄粒子量の減少が無視できないものの、放置された状態で排水中のかなりの窒素を除去可能であることが示された。
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