研究課題/領域番号 |
08255253
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 産業医科大学 |
研究代表者 |
法村 俊之 産業医科大学, 医学部, 教授 (20039530)
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研究分担者 |
野元 諭 産業医科大学, 医学部, 助手 (90258608)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
1996年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | 磁場 / 催奇性 / 免疫機能 / 生体影響 / p53ノックアウトマウス / 超伝導磁石 |
研究概要 |
DNA損傷性ストレスに対する生体防御機構に重要な役割をはたしているp53遺伝子が正常(p53^<+/+>)及びp53遺伝子欠損(p53^<-/->)マウスを用い、マウス胎仔に対する4.7T定常磁場の影響を催奇性傷害(外表奇形、胎仔致死性など)並びに成体マウス脾細胞の免疫活性を指標として解析し、超強磁場の生体影響を個体レベルで評価することを目的とした。強磁場への曝露は、動物用MRI装置の4.7T超伝導磁石(空芯口径400mm)の定常磁場を用い、通常のアクリル製飼育ケージに入れたマウスを室温(24℃)にて連続4日間行った。 1.マウス胎仔への影響:奇形の危険期である胎齢7〜10日(主要器官形成期)の4日間4.7T定常磁場に曝磁し、胎齢18.5日に開腹にて胎仔を摘出し、死亡胎仔及び外表奇形の判定を行った。正常なp53遺伝子をもつマウス(p53^<+/+>)では、統計学的に有意な差異ではないが、4.7T曝磁群の胎仔死亡率が対照群の2.1%に比し4.2%と増加傾向を示した。しかし、外表奇形の出現頻度は逆に小さくなる傾向がみられた。p53遺伝子を欠損しているマウス(p53^<-/->)でも、マウス胎仔への有意な磁場効果は観察されなかった。但し、解析した胎仔数が少なく、p53^<-/->マウス胎仔への磁場効果を評価するにはさらに調査が必要である。 2.免疫担当細胞への影響:11週齢のC3H/He雌マウス(曝露群12匹、対照群12匹)を4.7T定常磁場へ4日間曝磁後のヒツジ赤血球に対する抗体産生能、脾細胞中のヘルパーT細胞/サプレッサーT細胞比、及びTCR receptor遺伝子をマーカーとした成熟Tリンパ球の突然変異頻度のいずれの指標においても、有意な磁場効果を示す変化は観察されなかった。個体レベルでみた4.7T強定常磁場の生物学的効果は、非常に微弱なものと考えられる。
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