研究課題/領域番号 |
08256101
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
水澤 英洋 東京医科歯科大学, 医学部, 教授 (30144091)
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研究分担者 |
辻 省次 新潟大学, 脳研究所, 教授 (70150612)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1996年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | 脊髄小脳変性症 / 皮質性小脳萎縮症 / Holemes / SCA5 / SCA6 / 第19染色体 / Caチャンネル / 連鎖解析 |
研究概要 |
本年度は、新たに7家系の常染色体優性遺伝性皮質性小脳萎縮症の症例を追加し、合計15家系の発症者67名を含む132名について臨床症状の解析とともにDNAを採取して分子遺伝学的に解析した。200個以上のマイクロサテライト多型マーカーにより全染色体を10〜20センチモルガンの間隔でカバーできるようにし、蛍光レーザー全自動DNAシークエンサーにより直接多型解析を行った。得られた結果については、プログラムのLINKAGEを用いてコンピューターによる解析を行い、ロッド値を計算した。 臨床的研究から、我々の優性遺伝性小脳皮質萎縮症家系は、成人発症で、ほぼ純粋な小脳失調症を呈し、促進現象は明らかでないことが判明した。これまで、約75%のマーカーについて検索を行ったが、まだ有意な連鎖を示すマーカーは見つかっていない。とくに米国で報告された臨床的には遺伝性小脳皮質萎縮症の範疇に入ると思われるSCA5の各マーカーならびに11番染色体のいずれのマーカーとも連鎖を示さなかった(Brain,1996)。このことにより、遺伝性小脳皮質萎縮症は優性遺伝型の中でさえheterogeneousであり、少なくとも二つ以上の遺伝子座を有することが明らかとなった。また、Machado-Joseph病の中に本症と同様の症状を呈するものがあることを明らかにし、鑑別上の注意点を指摘した(Neurology,1996)。最近、15家系のうち約半数が19p13.1-p13.2に連鎖することが世界ではじめて明らかとなった(投稿中)。さらにこの領域にSCA6としてごく最近報告されたα1A-電位依存性Caチャンネル遺伝子が存在することから、この遺伝子のCAG反復配列の延長を検索したところ、我々の第19染色体に連鎖す家系はほとんどがSCA6であることが判明し、臨床症状とCAG延長との関連も明らかにした(投稿中)。すなわち、我が国に従来Holmes型とされていた遺伝性皮質性小脳萎縮症の約半数はSCA6であることを見いだした。
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