研究課題/領域番号 |
08256214
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
赤池 昭紀 京都大学, 薬学部, 教授 (80135558)
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研究分担者 |
下濱 俊 京都大学, 医学部, 助手 (60235687)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1996年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | ドパミン神経細胞 / 黒質 / グルタミン酸 / 神経細胞死 / 初代培養神経細胞 / パーキンソン病 / 一酸化炭素 / MPP |
研究概要 |
一酸化窒素(NO)神経毒性に対して抵抗性を示す中脳黒質ドパミン(DA)ニューロンの細胞内機序について、ラット胎仔由来培養黒質細胞を用いて、検討を行った。培養中脳細胞にグルタミン酸を短時間投与することにより、DAニューロンおよび非DAニューロンともに、遅延性の生存率低下が観察された。しかし、非DAニューロンに対するグルタミン酸毒性がNO合成酵素(NOS)阻害薬により抑制されたのに対して、DAニューロンに対するグルタミン酸毒性はNOS阻害薬の影響を受けなかった。NOドナーのS‐nitrosocysteine(SNOC)を短時間投与し、その後、SNOC不含液で3日間インキュベートすることにより、非DAニューロンの生存率は著名に減少したが、DAニューロンの生存率には変化は認められなかった。また、SNOC誘発毒性は抗酸化剤であるアスコルビン酸の投与による影響を受けなかった。一方、NOの代謝産物であるperoxynitriteanionを産生するSIN‐Iは、DAニューロンおよび非DAニューロンともに、神経毒性を示した。さらに、単独では神経毒性を誘発しない低濃度(1〜10mM)のMPP^+を2日間前投与したところ、DAニューロンにおいてNOドナーが濃度依存的な神経毒性を誘発するようになった。しかし、非DAニューロンにおけるNOドナーの毒性は^+の影響を受けなかった。以上の結果から、NO神経毒性に対するDAニューロンの抵抗性は、NOとの反応によりperoxynitriteanionを生じるsuperoxide anionの産生抑制に基づくこと、また、その抵抗性は^+により選択的に減弱されることが示唆された。
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