研究課題/領域番号 |
08256222
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
内山 安男 大阪大学, 医学部, 教授 (10049091)
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研究分担者 |
大沢 良之 大阪大学, 医学部, 助手 (30273642)
和栗 聡 大阪大学, 医学部, 助手 (30244908)
後藤 隆洋 大阪大学, 医学部, 講師 (20135693)
渡部 剛 大阪大学, 医学部, 助教授 (80220903)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1996年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | PC12細胞 / CPP32 / アポトーシス / 自食小胞 / リソゾーム / システインプロテアーゼ / アスパルギン酸プロテ-ゼ / プロテアーゼインヒビター |
研究概要 |
私達はアポトーシスで死ぬ細胞には各の変化に先立って細胞質にリソゾーム系が活性化されることを報告してきた。本研究では、リソゾームプロテアーゼが細胞死に果たす役割をPC12細胞を用いて培養系で検討した。PC12細胞を無血清あるいはStaurosporine(STS)存在下で培養し、同細胞がアポトーシスに陥る過程を検索した。その結果、PC12細胞の核の変化に先行して細胞質に自食小胞が形成されることがわかった。無血清あるいはSTS存在下で培養すると、PC12細胞は24時間でほとんどアポトーシスに陥るがその際いかなるプロテアーゼが関与するかを調べるため、ICE,CPP32のインヒビターとして知られるAC-YVAD-CHO(YVAD),AC-DEVD-CHO(DEVD)をそれぞれ添加して培養したところ、DEVDで細胞死が回避された。それ故、この条件下での細胞死にはCPP32様プロテアーゼが関与することが推測された。さに、リソゾーム系との関係を検討するため、リソゾームシステインあるいはアスパルギン酸プロテアーゼのインヒビターとして知られるLeupeptin,E64,CA030(カテプシンB、Lのインヒビター)あるいはPepstatinA(カテプシンDのインヒビター)をそれぞれ添加して培養したが、細胞死は全く回避されなかった。しかし、DEVD存在下でE64を添加したところ、全く細胞死は回避されず、E64とPepstatinAを同時に添加するとその死は回避された。さらに、CPP32様プロテアーゼの活性を測定すると、DEVD存在下ではE64あるいはE64とPepstatinAが添加されても活性は抑制されたが、DEVD非存在下では高い活性が認められた。CPP32が活性化されない10%血清存在下でE64を添加すると24時間後に約30%の細胞死が見られ、その死はPepstatinAの添加で回避された。bcl-2遺伝子を導入したPC12細胞を無血清条件下で培養しても細胞死は抑制される。これに、E64を添加しても変化はなかった。これらの事実は、リソゾームカテプシン群で生じる細胞死は、ICE/CPP32とは独立した経路で起こり、カテプシンDが細胞死を惹起する因子であることを示している。この細胞死の系は、1)カテプシンBとLの活性が存在する条件では抑制され、2)ICE/CPP32プロテアーゼが活性化される条件では表面化されにくく、3)Bcl-2により抑制される、等の特徴を有している。
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